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小説 舞の楽園 ( 海 )


 

『 海 』  - 29


    健様と錠様の持つ2本の懐中電灯の光の輪に丸裸の白いお尻を照らされて生きた心地
   もしない私は、ダラダラとした坂を上って1軒のお家の前に辿り着きました。

    そのお家はおよそ100坪ばかりの生垣に囲まれた1部が2階建てで、武骨な漁師の
   住み家らしくなく、意外な感じがしました。
   そのお家は漁港を見下ろす崖の上にありまして、4日前に私が歩いた砂浜とは漁港を挟
   んでちょうど反対側にあります。
   無論、辺りは真っ暗闇ですので、後で知ったことですが・・

    「ここだ!さあ・・入れ・・!」
   鍵も掛けてはいない玄関のガラス戸を開けて、健様が言います。
   このお家の玄関に辿り着くまでに誰にも会わずに来られたことを、私は神様に感謝して
   おりました。


    玄関に明かりが灯り、与えられた雑巾で汚れた素足を拭いまして、座敷に上がったの
   です。
   誰も迎えには出て来てはいません。

「おかん。今度の航海もお陰様で無事だったよ・・!魚もイッパイ捕れた・・よ」
  「俺達にもオンナが出来たことを、報告しておくよ!綾と言うんだ・・!」
  「色が白くって可愛いだろう・・?これからは女として磨き上げて、素敵なオンナにして
  見せてよるよ・・!もう、俺達のことは心配しなくってもいい・・よ」
  兄弟は座敷に飾ってありますお仏壇の前に全裸の私を連れて行き、お母さまのご位牌に
  手を合わせています。
  ご位牌に手を合わせています2人の兄弟はきっと、息子の2人にお嫁さんの心配をして
  いたのだと、私は思いました。

「お母様。綾と申します。こんな姿で恥ずかしいのですが・・健様と錠様のお言い付
  けでございますのよ・・。綾は男でございますが、素直なオンナになることをお2人に
  お誓い申し上げましたのよ・・」
  「これからは・・女として生きて行く所存でございますので・・宜しくご指導をお願い
  いたしますぅぅ・・」
  明るい蛍光灯の下で、丸裸で躯中の毛を剃られています私は、お母様のお写真に向かっ
  て跪き手を合わせていました。

   写真のお母様は微笑んで慈愛に満ちた表情をしていらっしゃいます。
  2人は私がお母様のお写真に向かって、従順に手を合わせて誓ったことに満足そうな
  笑みを浮かべておりました。
  それを見た私は{この兄弟の女に、いえ、良き妻になろう・・と決心したのです。



     ( 9 ) お風呂

   窓から見えます景気はまだ真っ暗です。遠くの波止場を照らす街灯が見下ろせるだけ
  です。

   「綾。まず風呂・・だ!風呂から上がったら、1発犯ってから・・俺達は寝る・・!」
  「朝は・・5時に出かける!捕った魚を船から降ろさなければならない・・からな!」
  「起こしてくれよ・・な!」
  勝手の解らないお家でマゴマゴとしている私を台所と浴室に案内してくれております。
  私が{このお家の嫁さんになるわ・・・}決心してことで、健様と錠様は優しいのです。
  今までのお2人じゃない見たいなのです。(つづく)

















      
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