fc2ブログ

記事一覧

小説 舞の楽園  ( スワッピング )

 
       スワッピング ( 6 )
  私の上で中腰になっていた妻が私の身体から離れました。そして、積極的になって
いた自分を恥じるように「あなた・・・お疲れね・・・」と言いました。
しかしその声の落胆さに、私は申し訳ない気持ちでイッパイでした。
「うん・・・ここのところ忙しくってね。スマナイね・・・」
「仕事の方が忙しくて精神的に負担となっているんだ・・・」と言った態度で謝っていま
した。本当のところは、部長代理になんて仕事は忙しくはないのです。
「わたし・・・シャワーを浴びてくるわ・・・」
名残惜しげにしていた妻はベッドを降りて、先程毟り取るように脱いで椅子の背に掛かっ
ているネグリジェを羽織ると寝室を出て行ったのです。

 私は自分の男性自身が使えなかったことに、大きなショックを受けています。
『もう2度と女体には使用出来ないのではないか・・・』と恐怖でした。心が冷え込んで
、自分の男根に手を当てて擦っていましたが、幾分は大きくなるのですが、若いときみた
いにピンピンにはならないのです。
暫く、シャワーを浴びに行った妻を待っていましたが、直子は帰っては来ませんでした。
その内に、眠ってしまったのです。
翌日から、私と同じベッドでは、妻は寝てくれませんでした。
「わたし・・・自由に寝たいのよ・・・」そう言って、客用の畳の部屋に布団を敷いて
寝ていました。
同じベッドに寝ていてももう半年はSEXも無いので、同衾する意味が無いと思いまして
、私は「いいよ・・・」と言っています。
本当のところは、昨晩の失態をなじられたらば何と弁明したらよいのか、判らなかった
ので助かったと思ったのです。
しかし・・・『私よりも6歳も若い直子には悪いことをした・・・。可愛そうだ・・・』
と思っていたのです。


   < 喫茶コーナーでのお見合い > 
  そんなところへ佐々原さんからのスワップのお誘いでした。しかも、私の男性自身
はスワップの情景を思い浮かべると起って来たのです。
月曜日に会社に出ても、仕事が手に付かないほど悩んだのです。勿論、妻に何と言い出
すか・・・です。
まずは次の日曜日に、直子を佐々原さんご夫妻と偶然を装って会わせることにしたので
す。
妻にその気が無いならば、ちょっと寂しいけれども、私は諦めようと考えました。スワ
ップよりも妻の方が私にとっては大切でした。

  その週の火曜日の昼頃、私は自分の携帯電話から佐々原さんの携帯に電話をして
いました。無論、社外で、1人で、昼食の帰りです。
「モシモシ。半田です。佐々原さんでしょうか?」
私が名乗ると、佐々原さんは私からの電話を待っていたようです。
「如何ですか? 奥様には、お話をされたのですか・・・?」
佐々原さんは性急に聞いて来ます。
「いえ・・・それが・・なかなか切り出せないのですよ。まだなのです・・・」
「うんっ。そうでしょうね。わたしもそうでしたから・・・」
歯切れが悪く私が言うと、佐々原さんも同調をしてくれました。『佐々原さんもそう
言う時期があったんだな・・・』ちょっと安心しました。
「如何です・・・?一度、お見合いをしませんか?奥様ともお話をしたいな・・・」
佐々原さんから言い出したのです。
「そうしていただけます?切り出すのが・・・難しくって・・・」
渡りに船でした。そして次の日曜日の午後、直子を連れてパルコへ行くことを約束
してのです。無論、佐々原さんも奥様をお連れしてです。(続く)
        スワッピング ( 7 )
  次の日曜日、1時にパルコと云うことですが、妻と私は30分も遅れてしまいました。
直子には佐々原さんとの約束は言ってはいませんので、何時もの通りユックリと出掛ける
支度をしています。私はヤキモキしていました。
『如何して女って云うものは、出掛けるとなると支度に時間が掛かるものなんだろう?』と
思ってです。でも、パフを叩いて、口紅を塗った妻は、私には自慢なのです。
パルコの屋上の駐車場に車を停めて、2階の衣料品の並びを見ていると、佐々原さんが私達
を見つけて近づいて来ました。
「おやっ・・・半田さんじゃないですか。お買い物ですか?」
偶然お会いしたように、佐々原さんは言っています。
私も偶然を装って妻を紹介しました。佐々原さんの奥様は弓子さんとおっしゃるのだそう
です。
背の高いガッチリした体格の佐々原さんとは違って、如何にも骨細で楚々とした美人に見え
ました。背丈も私と同じくらいで165cmくらいです。4cmくらいのハイヒールを履
いていますので、私よりも背が高い感じです。
とても、先日の日曜日に初めて見かけて、私をリクエストした女性には見えません。

  「折角お会いしたのですから・・・ちょっとお茶でも如何ですか?・・何かご用事でも
・ ・・?」
佐々原さんがお茶に誘って来ました。
「いえ。主人が『パルコにでも行ってみようよ・・・』と申しますので来ただけで・・・
用事と云うものは・・・」
妻が答えて、パルコも1階にある喫茶店に入ったのです。
「あっ、ここは禁煙だったよな・・・」
座席に座ると、佐々原さんは胸のポケットから煙草を取り出してテーブルの上に置きました
が、直ぐにそう言ってチョット残念そうに胸のポケットに仕舞いました。
私も妻も煙草を吸いませんので、残念そうに煙草を仕舞う人の気持ちが判らないのです。
喫茶店では壁際の席でしたので、佐々原さんの奥様の弓子さんが先に座り、後から佐々原
さんが座りました。
「ちょっとおトイレへ行きたいわ・・・」と言いましたので、先に私が座りました。私の
対面が弓子さんです。
弓子さんも下膨れの顔を綺麗にお化粧をしています。ちょっとウケ口でして、真っ赤な口
紅が良く似合って、とても印象的でした。
『こんな綺麗な奥様がスワッピングなんかするのか・・・?』『あのウケ口で男性自身を
咥えて貰ったら、どんなに素敵だろう・・・?』と考えると、私の息子がムクムクと大き
くなって来るのを自覚しておりました。

 ほどなく、トイレに行っていた妻も戻って来て私の隣に座り、コーヒーも運ばれて来
ました。
妻は洗面所で軽く化粧を直したと見えて、唇の色が鮮やかなピンクに変わっています。
何時もより上品な感じです。
佐々原さんは板金屋さんの社長さんと云うだけあって、お客様のあしらいには慣れたもの
だと云った感じで、妻を笑わしています。お話も面白いのです。
10分程お話をすると、直子もすっかり打ち解けて「オッホッホ」なんて口に手を当てて
笑っています。何時もはそんな上品な笑いをしたことが無いのですが・・・
妻と佐々原さんの様子を見ていて、2人は互いに好感を持ったようで一安心です。
如何にもSEXが強そうな佐々原さんに妻を取られてしまうのではないかと危惧をしてし
まいました。しかし・・・魅力的な奥様が私に話し掛けて来ます。
もう、乗り掛かった舟だと覚悟を決めました。(続く)


スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

舞

Author:舞
FC2ブログへようこそ!