『 海 』 - 46
『50歳近い男である私にお金を掛けて、それも尋常ではないでありましょうお金を
使って、女にしたい・・』と云う男達に申し訳と思ったのです。
しかし・・そのことは非常に嬉しかったのです。
許されるならば小躍りをしたい気持ちでした。
これは余談ですが。手術をしまして女にする・・って話をして、私が承諾をするか如
何かをご主人様2人で賭けをしていたらしいのです。
健様は私が承諾をしない方に、錠様は承諾をする方に賭けをしていたようです。
健様は、先に錠様が私の承諾をします方に賭けましたので、90%は私が承諾して賭け
には負けるだろうと思ったそうです。
仕方が無しに10%の方を取ったようです。
「10%でも賭けは賭けだ」と言っていました。
これは後のお話です。
そのお話を聞いた私は、『不利な方へ賭けた健様は{流石にお兄様だわ・・}と思っ
たのです。
健様はお兄様だけありまして、錠様には優しいのです。
勿論、私に対してでもそうなのですが・・
その賭けの対象は無論私の白い肉体です。
『 明日1日、私を自由にする 』と言うことがその賭けの条件だったようです。
「綾。良く考えて返事をした方がいいのではないか・・?」
「医者に行って去勢手術をしてしまうと、もう元の男の肉体には戻れないんだぞ!」
錠様が自分が既に勝ちそうになっているのに、私の身体のことを心配しまして、そう言
ってくれていました。
錠様は弟さんだけありまして、少しやんちゃなところもありますが、基本的には優しい
心の持ち主なんです。
私はこのお2人が大好きなのです。愛している・・と言っても過言ではありません。
お2人の望むことでしたらば、何でもする積りになっております。
私の心は決まっておりました。
・・が、ちょっとだけ考える振りをしています。
錠様のオチャメが映ってしまったのかも知れません。
「いいのです!綾は・・女になれせて頂きたいのです」
「ず~っと、何時までも。健様と錠様のオンナでいたいのです!綾の決心は変わりませ
んことよ・・」
「それに・・綾の身体はもう既に、あなた様方のものにしていただいておりますわ。ず
~っと健様と錠様のオンナでいさせて下さいませ・・ね。」
「この肉体をどのように改造されようとも、健様と錠様のご自由でございますのよ。ど
うぞ・・ご自由にしていただきとうございます」
床の上に起き上がりまして、丸裸のままの私は畳の上に正座をしまして、躯を小さく
縮めていました。
「ただ・・・決して怒らないと誓って下さいませんかしら・・?」
「何を言っても怒らない・・・から、言って見ろ!」
お2人は顔を見合わせて、口を揃えておっしゃいます。
「わたくしを・・綾を・・捨てないと言って下さいませ!」
「綾は・・健様と錠様に捨てられたらば・・生きては行けません・・!綾は一生懸命お
言い付けを守り、お2方の奴隷となりますことをお誓い申し上げますから・・」
最後の方はもう涙声で私は申し上げておりました。(つづく)
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