小説 舞の楽園 ( 海 )
- 2022/11/13
- 23:45
『 海 』 - 51
( 18 )美容整形外科医の診察
身繕いをしました私が乱れたウィッグを整えて、ルージュを引いたところで、ランドクル
-ザーは美容整形外科の病院のビルの前で停まりました。
ビルの看板から3・4・5階は医院が占めているようです。
エレベーターで3階に上がりました。
『 もし他の女性に会ったらば嫌だわ・・』と私が考えていましたが、そこの医院は完全予
約性らしくって、小さな待合室には誰もおりません。
看護師さんに呼ばれて医院の中に入ります。
院長先生は45・46才の感じで恰幅が良く、お客様に対してはニコニコされていまして、
とっても感じの良い方です。
3人で診察室へ入って行ったからでしょうか、先生はチョット驚いたような顔をしています。
これは・・後から看護師さんに聞いた話ですが・・普通は女の方が1人か、又は男女のペア
だ・・そうです。
先生の問診が始まりました。
受け答えをするのは専ら健様と錠様なのです。私は恥ずかしくって小さくなっております。
女になりたい私にとって、SEXも交えた恥ずかしくって仕方の無い問答なのです。
「綾さん・・と言うのかね? あなたは本当に女になりたいのかね・・?」
先生は優しく私に聞いて来ます。
「女になってしまったらば、男性の身体には戻ることは出来ないのだよ・・」
「それに・・豊乳手術そのものは簡単な手術だけれども、手術が終わった後揉まなければ
ならないんだ・・」
「それをしないと・・柔らかいオッパイにはならないのだ・・」
「これは・・痛いぞ!拷問に近いはど痛いぞ・・!耐えられるかな・・?」
お2人の希望を聞いた先生は、余りの話の内容に恥ずかしさで身を縮めて下を向いて
しまった私に、笑いかけています。
しかし・・その言葉は真剣そのものだったのです。
「はい。先生。是非女になりたいのです。先生、どうか・・わたくしを女に生まれ変わ
らせて下さいませ!どんなに痛くとも、どんなに辛くともわたくしは我慢いたしますわ」
院長先生の眸を見て、私は真剣に言いました。
「ヨシ!判った・・!性器の部分だけを除いて完璧な女性にしてやろう・・!」
「恥ずかしいし、痛いし・・辛いが我慢をして美しい女になるんだ!」
微笑みを浮かべた先生はそうおっしやると、女性の看護師さんを呼びました。
私には裸に成るようにおっしゃいます。
背の高くってスラリとしました看護師さんがお部屋に入って来ました。
職業柄かちょっと無表情の顔をしました、冷たい感じのする美人の看護師さんです。
「脱ぎましょうね・・」
私に脱衣を促します。
『何て・・綺麗な人なんだろう・・』と思いまして、彼女の美しさに憧れると同時に私は
自分だけが全裸になるのを恥ずかしく思ったのです。
「タンクトップとスカートを取って・・ここへ寝て下さい」
彼女は無造作に壁際に備えてあります白いベッドを指します。
しかし・・私は着衣の下は丸裸なのです。
病院へ着いたら裸を晒し、陰部を晒すことになるであろうことは想像していましたし、覚
悟も決めていた積りです。
けれども・・現実に下着も着けていない全裸を、本物の女の人に披露しなければならない
ことは、恥ずかしくって惨めなことでした。(つづく)
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