小説 舞の楽園 ( 海 )
- 2022/12/02
- 23:26
『 海 』 - 69
「 前にも言ったけど・・術後胸を揉みこむことは、あなたにとって拷問に等しい
ほど・・痛いんだ!けれども・・揉まないと形の良い乳房にはならないのだ」
「苦しいぞ!我慢が出来るか・・?」
先生は微笑のなかにも、真剣さを浮かべておっしゃいます。
「先生。綾はどんなに痛くっても、苦しくっても我慢をいたしますことよ・・!です
から・・形の良い乳房を造って下さいませ!お願いします」
「その代わり・・完璧な女になりましたらば・・あっ、先生がもし・・お嫌でなかっ
たら・・ば・・」
言い淀んでしまいました。
今朝がた、お2人のご主人様から厳命されていたことを、言おうとしていたのです。
それは・・「 院長先生にはお世話になったのだから、お礼をしなくてはならない!
綾の改造した肉体でおもてなしをするのだ・・」
「今日。先生に言うのだ!」
・・と命令されていたのです。
「いやです・・!そんなことを言わせないで・・そんなことを・・させないで・・
下さいませ・・」
綾は初めて本気でお2人のご命令を拒みましたが、お2人は許して下さらなかったの
です。
「綾を売るとか、貸すと言うことではないんだ・・!」
とも申しております。
ご主人様方の考えは私には理解出来ませんでしたが『 お2人はわたしをどれほど
従順になったのか試そうとして、そう申して居るのだわ・・』と考えたのです。
そして・・『わたしのこの肉体は全てご主人様方のものなのよ・・」と思いました。
お2人のご命令とあらば私は従わなければなりません。
この肉体を持って、先生に楽しんでいただくより方法はないようです。
お2人にはお2人の考えがあるようでした。
私は単に・・『先生にはお世話になりましたので、お礼をせい!』と言うことだなと
思っていたのです。
先生とのホテルの1夜が明けた朝方、考えてみると・・私は女として凄く楽しい
1夜を過ごしたことに気が付いたのです。
ご主人様お2人はそのことも予想していたのでは・・と思うのです。
今では・・『私が誠心誠意お2人に尽くしていますことに対する、ご主人様のご褒美
なのでは・・・」と思っております。
本当は・・私の方こそ・・優しくして下さるお2人にご褒美を差し上げなくればなら
ないのですが、私は何も持ってはおりませんので、それは出来ない相談なのです。
その代わり・・と言ってはなんなのですが・・私は一生懸命になってご主人様お2人
に尽くして行こう・・と心に誓った次第です。
「 1度で結構ですから・・女になったわたくしを・・綾を・・・だ・抱いて・・・
頂けませんこと・・」
全身真っ赤になり、小声ですがご命令された言葉を言っておりました。
ご主人様のご命令とは言え、もう先生の顔は見られませんです。小さくなって俯いて
しまっておりました。
「いいよ!完全な女になったら・・ね。約束しよう・・」
一瞬戸惑ったような先生は快活に笑って、そう言って承諾して下さいました。
先生が余りに感嘆に承諾をして下さったので、『もう既に、ご主人様方から先生の方へ
{ 何か・・お礼がしたい }と言われているのかしら・・』と思った次第です。
でも・・その時には、恥ずかしくって恥ずかしくって、何も聞けませんでした。(
つづく)
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