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小説 舞の楽園  ( スワッピング )


       スワッピング ( 12 ) 
  「イヤイヤ。無理だ・・・なんて・・・そんなことはありません」
私は口の中でゴニョゴニョと呟きました。国道を30分も走ったでしょうか、1軒の大き
なラストランに着きました。ここで夕食を摂ってからモーテルに行くようなのです。
私と直子は外の景色ばかりを眺めていました。
隣に座っている弓子さんも、会ったのが2回目だと言うのに緊張しているようで畏まった
ままでした。
運転している佐々原さんのみが直子に話しかけていました。

 レストランでは、無論直子の隣は佐々原さんが座りまして、私は弓子さんの隣です。お
2人はこのような席は慣れていらっしゃるのか、硬い表情の私達に気を使っているようで
す。
食事が運ばれてくる頃には、直子も私も大分打ち解けて来ています。
そのレストランで1時間半ほどお食事を楽しんでコーヒーが運ばれて来た頃には、佐々原
さんと直子、私と弓子さんは2組の夫婦として見えていたと思います。
目的のモーテルへ行く時なんかは、弓子さんは先程の車の中の様子とは違って、後部座席
でピッタリと私にくっついて座っていました。
新しい、そして若い良い匂いのする美人の女性を『これから抱けるのだ』と思うと、私の
息子も大きくなりチョット恥ずかしかったものです。


  又、1時間近く車は走りました。着いたところが目的のモーテルです。そこは国道か
らちょっと入ったところです。
入り口のゲートの垂れ幕を潜ると、中は前部が平屋建ての建物が幾つも並んでいました。
その中央辺りに一際大きな建物があり、駐車場が他の建物は1台限りのスペースしか無い
のに、3台は入れそうな大きさの建物がありました。
「ここです・・・」
モーテルに続く脇道に入った途端黙ってしまった佐々原さんが後ろを振り返って言うと、
マークⅡはその駐車場に滑り込んだんのです。辺りはもう暗くなっていました。佐々原
さんは辺りを見回して他の人が居ないことを確認するとドアーを開き降りて、直子の乗
っている助手席側の扉を開きました。
「どうぞ・・・直子さん」
そう言って直子の手を取って車から降りるように促しています。直子も覚悟を決めたの
か上品に頷いて車から降りています。女ってこう云う時には度胸が決まるものですね。
・ ・・
 後部座席の私達もそれぞれ車から降りました。
鍵の掛かっていないモーテルの扉を開けて佐々原さんは直子の肩を抱いて中に入ります。
私も弓子さんの後に付いて扉の中に入りました。弓子さんは何度かこのモーテルを利用
しているようで、馴染んだ手付きでカシャリと錠を下ろして、私達の脱いだ靴を外向き
に揃えています。

  玄関とお部屋の間にはもう1つ扉があり、佐々原さんと直子が入った後半開きに
なっている扉を引いて私が部屋の中に入ると、立ったままの2人が抱き合ってキッスを
しています。
大柄で如何にも男らしい佐々原さんの身体に吸い付くように直子が抱かれて、咽を見せ
ていました。唾液を飲まされたらしく、直子の咽がゴクリと動きました。それを呆然と
みている私です。
その時の私の気持ちとしては、『妻の直子は喜んでいる。これで・・・良かったんだ』と
思う気持ちと、『チキショウ。直子にあんなことをしやがって・・・』と云う思いが半分
半分です。(続く)

       スワッピング ( 13 ) 
  「いきなり激しいのね。まだ夜は始まったばかりよ・・・」
私達の靴を揃え直していた弓子さんが扉を開けて、呆れたように言っています。
「うん。余りにも直子さんが魅力的だから・・・」
唇を離して佐々原さんが抱擁を解きながら弁明しています。直子はちょっと恥ずかしげに
手に持っていたバッグを置いていました。
モーテルの部屋は1つのベッドしか置いてありませんが、そのベッドが巨大なのです。4
人は寝られそうなベッドで、枕も4っつ並んでいます。そして、真っ赤なベッドカバーが
掛けられていました。
私も結婚前に1度か2度はモーテルのお世話になったことがありますが、こんなに大きな
部屋と巨大なベッドは見たことがありません。
天井はアイボリーホワイト、壁は薄いピンク、ベッドの赤と相まって、性欲の刺激を増進
する造りです。ベッドの足元には大きなガラステーブルが置かれていて、6~7人は座れ
るようにソファーが4っつありました。

  直子は私の着ていた相の背広をノロノロとした動作でハンガーに掛けています。妻の
直子もスワップなんか初めてで度肝を抜かれたように如何したら良いのか判らないようで
す。
「さあ、ザックバランに行きましょうよ・・・。どうです・・・ビールでも?」
佐々原さんはそう言って備え付けの冷蔵庫を開けてビールを出し、脇の棚からコップを4
っつ持って来てガラスのテーブルに置きました。
「あたし、お風呂を入れて来ますね・・・」
薄いブルーのカーディガンを脱いで白地に紺のストライブのノースリブのワンピース姿に
なった由美子さんがそう言って、後ろを向いてスカートをたくし上げています。
見るとも無く見ていると、肌色のパンティストッキングを降ろしています。
淡いブルーと細い赤い線のパンティがたくし上げたワンピースの裾から、扇情的にチラリ
と見えましたが、それも直ぐに隠れています。
弓子さんは私が見ていることを知っているようです。
弓子さんが浴室に消えると、直ぐに水音が聞こえて来ました。何時の間にか脱いだのか
直子は濃紺の半袖のワンピースになっていました。

 「さあ、お2人とも座って・・・そんなに緊張することはありませんよ。先ずはビール
で乾杯しましょう」
「おい・・弓子。そこにある摘みを持って来てくれないか・・・」
脱衣所になっているらしい扉から出て来た弓子さんに言いながら、、佐々原さんは4つの
カップにビールを注いでいました。
「直子さんはこっちにいらっしゃい・・・」
直子が私の隣に座ろうとすると、佐々原さんがソファーを叩いて自分の隣に座らせました。
冷蔵庫の上の棚からお摘みを取り出した弓子さんは私の隣に座っています。
私も直子もお酒はそれほど強くはありませんので、ビールにチョット口を付けただけです
が、佐々原さんと弓子さんは美味しそうに一気に飲み干しています。
「あなた。もういいんじゃない・・・?。止めて来てよ!」
私の隣にピッタリと寄り添って座った弓子さんが佐々原さんにお湯が止まったことを知ら
せています。(続く)


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