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5月の連休中の出来事


        5月の連休中の出来事
     (1)
 突然、玄関の扉が開いたのです。
どうやら、今朝のゴミを出して、ボンヤリとしていて錠を下ろすのを忘れて
いたようなのです。
お付き合いをしていた彼女に振られて連休中は何処にも行く当てがなく、失意
の内にソファーに座ってテレビのバラエティ番組を見ていた私は玄関の方を振
り向きました。
マンションの玄関の扉の内側には、人相の良くない男がそれも2人も、既に入
り込んでいたのです。

 「兄貴。こいつ、1人だけらしいですぜ・・・」
背の低い方の男が・・・と言っても、それでも175cmはありでしょう。
背丈の低い私には大きく見えました。
痩せてヒョロッとした若い男がサングラスを掛けた髭の剃り跡の青々しい年上
と思われる男の人を見上げて言いました。
「オイ。おめい・・・1人か・・・?」
そして、背の低い方の若いと思われる男は、思わず立ち上がった私に聞いて
きました。
「・・・はい・・・」
小心者で大人しい私は、突然侵入して来たこの2人組みが怖くって思わず
頷いていたのです。そして頷いてしまってから、シマッタと思ったのです。
家の者が居るような素振をすれば良かったと思ったのですが、もう遅かっ
たのです。

 「よし。丸裸に剥いて縛ってしまえ!逃げられないようにな・・・」
サングラスの年上の男は家の中を見回していまして、私が独りで暮らしている
らしいのを見て取ると、手下と見える若い男に過激なことを言っています。
さっき私に声を掛けた痩せてヒョロッとしているように若い男は、驚きの余
り身動き出来ずにいる私の背後に素早く回り込んだのです。
そして、何時手にしたのか知らない、飛び出しナイフを私の首筋に当てていま
した。
「兄貴がああ言っているんだ。大人しく丸裸になるんだよ!さもないと、これ
でブスリだぜ!」
この若い男は意外と凶暴そうです。作業ズボンのポケットに隠し持っていた
ナイフを取り出して、私を脅しているのです。

 「ああ、許して下さい。お金だったら有るだけ全部差し上げます。裸にして
縛るのだけは堪忍してください・・・」
ナイフを首筋のところに突きつけられた私は蒼白になり、膝がガクガクと笑い
涙声で哀願していました。
「ダメだ!オイ。吾郎。早く素っ裸にして、縛り上げてしまえ!逃げられたら
大事だぞ。丸裸にして縛り上げて置けば逃げることはできないだろう・・・」
長身の年上の男がサングラスを外しながら「ダメだ・・」と凄んでおります。
(続く)
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