小説 舞の楽園 ( 5月の連休中の出来事 )
- 2023/02/02
- 22:50
5月の連休中の出来事―26
“ゾリッ”
剃刀を入れると意外と白い肌が現れました。
背中を全部剃り立ち上がって貰って、お尻と脚と続きます。お尻にも剛毛が生
えていまして、私は『男の人ってこんなところにも一杯に生えているんだ・・・』
と感心して、「それに比べて私の肌は女みたいだわ。女になるのが定めだったの
よ・・・』と考えております。もう完全に女の思考でした。
屈んで貰って、肛門の周囲に生えている黒い長い毛も剃りまして吾郎さんのお
尻はツルツルになりました。肛門は私のように緩んではいなくて、固く締まっ
ていました。
伸二様は私が背中を剃っている時には、入り口の所で立って見ておりましたが、
吾郎さんが大人しく剃らせているのを見て看視する必要が無くなったと思った
のか、DKに行って煙草を吸っているようです。TⅤの音がいたします。
再び吾郎さんに座ってもらって、少し髭の伸びた顔を当たって胸毛です。胸毛
に手を掛けるとサラサラとしていて、とっても気持ちがいいいのです。私は剃
るのが惜しくなったほどです。
しかし、身体中の毛を剃れと言う厳命です。剃らない訳にはいきません。
お腹の毛を当てて、男性器の周りの長い剛毛はそのままで、脚の毛に移り
ました。吾郎さんは諦めたのか大人しく私に剃らせてくれています。
私が優しく優しく剃刀を当てているせいかかも知れませんが、彼の男根は勃
ち上っているではありませんか。幾分大きくなっているのです。
躯中を優しく触れられながら剃られると言うのは快感かもしれないと私は思
いました。
あのSっほい吾郎さんがMの気を持っているのだとは考えたくありませんが、
人間と云うものはSとMとはコインの裏表のようなものだと云う話を聞いた
ことがあります。
脚もツルツルになり、いよいよ男の叢に取りかかろうかとしている時に
、DKで煙草を吸っていた伸二様が様子を見に来ています。
吾郎さんが大人しくなったと言っても、私にはまだ怖いのです。もし、男
性自身の周りの毛を剃ることになると、暴れるかも知れないと思っていた
のです。庇護者である伸二様の方を伺いました。
私の『ここも剃るのですか?』と云う目配せに、伸二様は大きく頷いてい
ました。「ここも剃ってしまいましょうよ。終わったらわたしを剃って・
・・」
私の女声も板に付いて来たようです。吾郎さんはもう観念してしまってい
るのか、黙って頷いていました。
吾郎さんの気が変わらないうちにと考えた私は剃刀を変えて、広範囲に
生えている剛毛を剃り始めました。
ハラハラとカールした長い毛がタイルの上に落ちるのを見て、吾郎さん
の悲しそうな目が印象的でした。
私は可愛そうになっていますが、伸二様のご命令には逆らうことなど考
えられません。
「ゴメンね。・・・うちの人がああ言うものだから・・・」(続く)
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