小説 舞の楽園 ( 5月の連休中の出来事 )
- 2023/02/15
- 22:56
5月の連休中の出来事―39
「女装をして行け」と突飛なことを言われて、私は固まってしまったのでし
た。
彼は『女装をして行けば、警察への駆け込みなどは出来ない』と考えたよう
です。
成る程、慣れてもいない女装をして行けば、私は恥ずかしくて警察などに
駆け込む訳にはいかなかったのです。
私は今まで、男としては未熟でしたが、女装をしようなどとは考えたことも
ありませんでした。
「逃げたりはいたしません。あなたの女になったのですもの、逃げたりなど
は絶対にいたしません。だから・・・お願いします。男の姿でお買い物に
行かせてくださいませ。」
「女装などはしたこともありませんので・・・怖いのです。出来るかどうかも
判りませんわ・・・」
彼の怒りを出来るだけ誘わないように女の口調でお願いをしたのですが、
伸二様は取り合ってもくれません。とうとう諦めています。如何にでもなれ
・・・と言った気分です。
「まだ信用されていないのね・・・」と呟きながら、箪笥に残っている母親
のお洋服を着て化粧を直していたのです。
幸いにして(と言うか不幸にしてと言い直す必要があると思いますが)
小柄な私は母親と背格好も同じくらいでして、母親の洋服は着られそうです。
箪笥の中には亡き母親の洋服とカツラまであったのです。
どうせ女になるならば、あまりお婆さんくさい格好はしたくはありません。
洋服の中でも出来るだけ若い頃に母親が着ていた黒のタンクトップとその
上に着る薄いカーディガンと水色のミニのスカートを選び出しました。
裸のお尻を突き出して箪笥の中からそれらの物を取り出していると、伸二
様が近づいてきて裸のお尻をスーと撫ぜてから箪笥の奥を覗き込んで、
黒のブラジャーと矢張り黒の薄い羽根のようなパンティを取り出したのです。
母親がそんな物を身に付けていたことは見たこともありませんので、何か
特別な日のために取って置いたのだと思われます。
「これを履いて行け!お前は色が白いから似合うぞ。まあ他人に見せる
ものではないがな・・・」
ポンとベッドの上に投げて、そう言って笑いました。
私は丸裸の上にブラを着けてパンティを履いています。小柄な私ですので、
ブラと胸の隙間に母親の履いていた古いパンストを詰めると丁度ピッタリです。
パンティの方は無毛の小さな男性器を下を向けて包み込んでおります。私の毛
を剃られた下腹が黒いパンティ越しに丸見えでした。
「姐さんの白い肌に良く似合っているじゃないですか・・・」
長い男性器をチョッピリ硬くした吾郎さんが跪いたままお世辞とも取れなく
は無いことを言っています。女性の下着姿が恥ずかしくってならない私は、
急いでスカートを履いてタンクトップを着ていました。(続く)
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