小説 舞の楽園 ( 5月の連休中の出来事 )
- 2023/02/19
- 23:54
5月の連休中の出来事―43
私は伸二様の信頼を勝ち取ったようです。
その信頼は絶大なもので、私は全裸の奴隷の身からブラとショーツを許されて
着けていられることになったのです。
前にも申したと思いますが、下着を着けている者といない者では安心感が大い
に異なります。私は伸二様の女ですが、元は小さいながら男性器をぶら下げた
男性なのです。毛を剃り取られた男性器を1日中ブランブランと晒していな
ければならないのは本当に不安なのです。
「もう、裸にならなくていい!下着姿でいろ!色っぽくていい!」
お買い物に行く前のように全裸になろうとしまして、着ていたカーディガンと
スカートを脱いだ私を見て、伸二様はおっしゃっています。
「ありがとうどざいます」
嬉しくなってお礼を申し上げましたが、傍で控えている吾郎さんを見て驚き
ました。
伸二様の後ろにいる吾郎さんはガックリと肩を落として今にも泣かんばかり
なのです。
私が下着を着けることで、この部屋にいる3人の中では全裸なのは彼だけ
になってしまうのです。彼はますます惨めに感じることでしょう。
「あのう・・・」
恐る恐るですが、なけなしの勇気を振るって私は伸二様に切り出しました。
「うんっ・・・?」
今まで逆らったこともなく従順そのものであった私が言いかけると、伸二
様は不思議そうな顔をしています。私の初めての反抗です。
「あのう・・・これはご褒美でしょうか?」
「うむっ。帰って来た褒美だな・・・」
私は『下着を着けてもいい』と言われたことはご褒美かと聞いていました。
「とっても嬉しいのですけれども・・・それなら、吾郎さんを許して上げ
ていただけませんこと?吾郎さんだけ裸なのはかわいそうです。その代り・・・
とっても恥ずかしいのですが、わたしが裸になりますわ。ねえ、お願いし
ます。
そうして下さいませんこと・・・」
吾郎さんが余りにションボリしているのを見て、見ていられなくなって
しまったのです。
私が全裸になる代わりに、吾郎さんの不祥事を許してやって欲しいとお願
いして、ブラを取ろうとしていました。
「オイ吾郎。和子がお前を助けてくれるように言っているんだぞ!お前の
代わりに丸裸になろうとしているんだぞ。お前を守ろうとしているんだぞ
。姐さんの気持ちを考えたことがあるか?」
吾郎さんは私が『代わりに裸になる』と言ったので吃驚したようです。
本当に目をパチクリさせて驚いたようです。
本当に自分のために身代わりになる人などいないと思っていたような
のです。
伸二様に言われた吾郎さんはハッと気が着いたようなのです。
「ありがたいことです。姐さん、ありがとうございます」
私に向って丁寧にお辞儀をすると、関を切ったように泣き出してしま
っています。(続く)
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