小説 舞の楽園 ( 調教師 )
- 2023/03/20
- 00:04
調 教 師 ー ( 2 )
調教開始 第 1 日目
俺は腸教室の様子を、壁に取り付けられているガラス窓を通して観察している。
この窓はこちら側から見ると素通しのガラスであるが、向こう側から見ると鏡にな
っていてこちら側は見えない。
眸を覚ました若い男は全裸のまま、天井から下げた鎖に両手を繋がれて、こちら
向きに立たされていた.
甘いマスクに色が抜けるように白い身体、骨細で体毛は生えてはいない。
両腕を吊リ上げられている為に、見える腋の下もモヤッと生えているに過ぎない。
恥ずかし気にクネクネさせている両脚の付け根に生えている恥毛も極端に薄い。
依頼人の爺様 ( ・・だと俺は思っている )で無くとも、女にしたい・・と思
うような綺麗で繊細と思えるような肉体をしていた。
そして・・その薄い恥毛の下にぶら下がっている男性器を見て、クスッ笑ってしまった。
「あれじゃぁ・・女は満足しない・・な」
思わず、独り言を呟いてしまった。
確かに、それは小さかった。 見方によっては可愛かった。
丸裸にされ、鏡のある知らない部屋に入れられて、吊られている恐怖の為にか、縮こ
まっているとは言え、小指ほどの大きさで完全に表皮を被っているモノを見たからだ
・・
勿論、萎えていた。
大きくなったことがあるのだろうか・・と心配したほどだ・・
俺は今、依頼書を見ている。
若い男の名前は神崎綾雄。年齢は23歳だ。
勤めていた会社は1部上場のある有名な洋品メーカーである。
大学を出てこの会社に勤めて1年目とある。
住所は下宿らしい。本籍地は山陰のある村の名前が書いてあった。
大学は東京の私立であり、高校はその村の高校らしかった。
男で、会社に勤めたばかりの独り者、。田舎は遠い山陰。行方不明になったにしても
誰も気に掛けたりすることは無いだろう・・?
警察も行方不明の者が若い男であると知ったらば、女ほど熱心には探さないものである。
綾雄は泣いていたのであろう、項垂れていた首を上げて前にある鏡を見た。
そこには・・丸裸にされて一本の鎖に吊るされた自分の姿が写っていたであろう、屈辱
的な自分自身の姿に、思わず顔を背けてしまっている。(つづく)
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