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小説 舞の楽園 ( 調教師 )





調教師   ー (  6  )
 
    「ほう。なかなか元気がいいな・・。けれども、何時まで持つかな・・?」
   助手の男がセセラ笑って、壁に取り付けられたスィッチを押した。
   グゥィ~ンと云う音と共に全裸の身体を吊っていた鎖が上方へ動き出す。
   「ああっ。ヤメロ!ヤメテクレ・・!」
   今までは両足が床に着いて立っていられたのだが、音が止まった時には足の親指 
   が床に着くか着かない程度に、綾雄の身体は伸び切っていた。
   勿論、今まで隠していた股間のモノは、もう隠すどころでは無い・・

    「反抗する気なのね・・!」
   女の助手がワザとらしい言い方で、憎々しく呟くと、伸び切った白い全裸に鞭が
   振り下ろされた。

     それはそれは凄かった。所謂、乱れ打ちと言うやつだ・・
   足先の親指だけが着くか着かない状態に吊り上げられた身体では、足を踏ん張る
   ことも出来ない。


    「脚を開くんだよっ・・!」
   何時の間にか、鎖で吊り下げられた綾雄の躯は、幾分下がって両足が着くように
   なっていた。
   ハーネスの男が壁のスィッチを操作したと思えるのだが、朱く染まる躯ばかりを
   見ていた俺は気が付かなかったのだ・・
   この男と女は、こう云う点でも絶妙のコンビであった。
   こう言うところが気に入って、俺は調教を任せることにしたんだ・・

    背中と尻を網の目のようにした綾雄は、もう反抗する気は微塵も無いようだ。
   整った綺麗な顔をクシャクシャに歪めながら、ノロノロとした動作で脚を開いて
   いる。
   全裸の綾雄の小さい包茎の羞恥の源が曝け出されていた。


" ぴゅ~ん”
   今までとはちょっと違った、幾分間延びのした鞭音が響いた。
   ”バチ~ン”
   「 ギャァ~ッ 」
   眸を瞑って鞭打ちの痛みに耐えている風情だった綾雄が眼を大きく見開いて。カエ
   ルのように飛び上がったのを俺は見た。

    50発目の鞭は下方から正確に綾雄の股間を直撃していた。
   鞭の先っぽは縮み込んだ玉袋とアヌスに正確に当たっていると俺は信じている。
   女の場合は股間に鞭が当たると湿った音がすろようだが、『 今日は乾いた音がし
   たな・・』と思っていた。
   そして・・綾雄は全裸で吊り下げられた身体を捩り、痙攣した。
   俺はそんなところを鞭打たれたことが無いから知らないが、男の急所の裏側である
   そこは、『 女が鞭打たれるよりも痛いに違いない・・』と考えて、綾雄に同情し
   たほどだ・・

    「 どう・・? もう反抗しないわね・・」
   「 は、はい・・」
   黒革のブラとパンティだけの女の優し気な問いに、涙で一杯の眸を上げて何度も
   頷いていた。


「 もう一発行くわよ! 脚を開きなさい・・!」
   女は綾雄が頷いたのを見て満足そうに頷き、笑みを浮かべながら平然と言う。
   「ヤメテェ。もう打たないでぇ・・もう、打たれるのはイヤですぅ・・」
   「・・・・・」
   可愛い顔をクシャクシャに歪めて泣きながら哀願したのだが、女が黙って貌を振っ
   たのを見て、綾雄は怯えて脚を少しずつ開いている。

    このサディストは何時もそうなんだ。
   生贄の女達の怯える様子がたまらなく楽しくって仕方が無いようである。
   『 これだけ痛めつけられたら、男だって女だって同じになるものだな・・』と
   俺は思いホクソ笑んでいた。(つづく)

   
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