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小説 舞の楽園 ( ギブス )


        ギブス  -24
 けれども、退院の時とギブスを取った時の先生の優しさにグラッとなってい
た紀香はどうしても先生を引き止めたかった。
本当のところは、もう2年以上も男の生の肉体から遠ざかっている紀香のオマ
〇コが言うことを聞かなかったような気がするのだ。
あんな酷いことをされた3人に対しても、懐かしい気持ちが湧上がって来てい
たところであった。
加納医師の肉棒が欲しいと思った。

 「もし、宜しかったら・・わたしのアパートに、来ていただけません?」
「アパートはここから自転車で15分くらいのところなんです」
きっかり1時間後に、紀香は加納医師の乗っている車の窓を叩いていた。
先生は眠っていたようで、飛び起きていた。
「眠っていたようだ。今日はオペがあって・・・」
加納先生は頭を振りながら照れたように言っていた。そして、車のドアーを
開けた。
「ごめんなさい。お疲れのところを・・・」
開けてくれた車の中に乗り込みながら紀香は恐縮している。
「お邪魔してもいいの?」
「とても、先生をご招待出来るところではないのですが、この辺りのお店は
早く閉まってしまうしぃ・・ご迷惑だと思いますが・・・」
紀香は自分のアパートに先生を誘った。
「迷惑だなんて・・・とっても嬉しいよ・・・どっちへ行けばいいのかな?」
加納医師は紺のカローラを出しながら言っている。
「あっ、そこを右側にお願いします・・国道沿いに行って、5つ目の信号を
右側です」
「ここかな?」
いつもは自転車で来る道は自動車だとあっという間であった。今日はコンビ
ニに自転車を置いてきてしまった。
「そうです。次の曲がり角を左に・・・ここです。車はここに停めても大丈
夫です」
紀香のアパートは木造の2階建ての1階が4戸、2階が4戸の1階の1番奥
であった。
「ここですわ、先生。散らかっていて恥ずかしいわ・・笑わないで下さいね。
• ・・どうぞ・・・」
紀香は頬を染めながら言って扉を開けて、加納医師を部屋の中に招きいれて
いた。
部屋は6帖の畳の部屋と8帖程のLDK、それに玄関とバス、トイレの扉が
あるだけの住いであった。
「そこに座ってらして・・・お夕食はまだなのでしょう?」
紀香は先に部屋に上がると、DKのテーブルの上をちょっと片して加納医師
に聞いた。
「うん。手術の後は、食べられなくってね・・・」
「今、お夕食を作りますわ。コンビニで貰って来た出来合いの物で、お口に
合うかどうか分かりませんが、食べて下さいね」
先生が食卓テーブルの椅子に座ると灰皿を用意してから、紺色のエプロンを
着けて言った。(続く)
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