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小説 舞の楽園 ( 私は薫 )


1         「 薫 」(30)
愛撫をしようとすると、薫は愁傷なことを言っている。

俺は大将のところでちょっと呑み過ぎたようで、男性自身の勃ちが悪くなっ
ているのに気づいていたので、今日は薫の肉体の中に入れられないかも知れ
ないと密かに思っていた。
助かった・・と思うと同時に、彼女が気を効かしてくれたのだと感謝している。
薫は疲れていたのか全裸の身体を俺の方へ寄り添って来て、俺の萎えた男性自
身をしっかりと握ってさも安心したように直ぐに寝入ってしまった。
たった2日でここまで変ってしまった彼女の寝顔を見ていると、これまで彼女
を待たせた俺の意気地のなさと、ここまで俺のことを思ってくれている彼女の
気持ちを思って涙が込み上げて来た。
まだ一物を握られたままで俺は動きにくかったが身体を起こして、薫のちょっ
と厚めでちょっと受け口の唇に感謝の口付けをしてやっていた。


   <病院へ行って・・・>
 今日も千寿さんと会って色々と教えて戴こうかと、私は思っていましたが
ハタと考えてしまったのです。
千寿さんはとってもお若くて綺麗に見える女性です。それに引き換え私は60
才を超えているとは言え男の姿です。何時間も千寿さんのお部屋にお邪魔する
ことは、大将は知ってはおりますがご近所の人が何と噂をされるか分からない
ことに気が付いたのです。
千寿さんにご迷惑が掛るのではないかと思いまして、昨日お教え戴いた千寿さ
んの家の電話番号に電話をしていました。
「わたしのようなおばあちゃんに、誰も注目などしてはいませんわ」
私がそのことを話すと、彼女は笑って言っています。
「でも・・・必ず噂になって、千寿さんにご迷惑が掛ってしまいますことよ」
「お年には・・・失礼します。お年相応には見えないですもの・・・お若く
て綺麗なのですもの・・・千寿さんのようにお若くて魅力的な女性の部屋に
わたしのような男性の姿をした人が出入りをしていると、必ず噂になってしま
いますわ」・・・と、申し上げたのです。
「判りました。主人と相談しますので、電話を切ってお待ち願えないかしら?」
大将に相談をしたいと千寿さんは言っております。
 私が5分ほど待っていると電話がなりました。
「薫さんのおっしゃったことを主人に申しますと『それは道理だ。店の2階に
使っていない部屋があるから、そこを使うといい。そこならば噂にはならない
んじゃないか・・・』と申しますのよ。わたしもそちらなら毎日通えますから
• ・・・」
千寿さんはご主人である大将に相談したのでしょう、そう言っております。
「いいのですよ。わたしは主人と外を歩くことはめったにないから、お店まで
で歩くのもとっても楽しみなのよ。貴女が来て下さって嬉しいのよ」
度々お店まで出向いて貰うことを恐縮しますと、そう言って私の懇願を聞いて
下さいました。
 それで、お店の2階で千寿さんとお会いすることにしたのです。
その日、打ち合わせた時間にお店に行きますと、もうお2人は2階の部屋のお
掃除を済ませて、私を待っていてくれたのです。
「元気か?幸せか?」
大将は私と顔を合わせると、まずそう言ってくれたのです。昨日会ったばか
りなのに、まるで嫁に出した娘を心配してくれる父親のようでした。【続く】
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