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小説 舞の楽園 ( 私は薫 )

         「 薫 」(33)
 俺は常日頃から思っていたことを言うと、薫は急に抱きついて来たのだ。
「あなたが好きよ・・・大好きよ」と甘えて来たのだ。
薫が女になるために何か努力をしていると言うだけで、俺はあいつを可愛く
て愛しいと思ってしまう。
薫は薫で、俺が誉めてやったり、可愛いと言ったりするととっても喜んでく
れるのだ。
その繰り返しが中年の、いやもう老年の俺たち2人を結びつけてくれている
ようだ。これからも誉めてやったり、可愛いと言ってやったりしようと俺は
思っている。

 俺達が肉体的にも結ばれてから、やがて1年を迎えようとしたいた。
俺は定年の年を向えて、本社のある東京に勤務地が変ることが決まっていた。
俺の会社では、定年を本社で迎えると言うのが慣例になっているのだ。
俺は今まで住んでいたアパートは引き払って引越しをすることにしたのだ。
無論今では女房となっている薫も一緒に連れて行こうと言うのだ。もち論、
薫も住んでいるアパートを引き払うことにはなる。
そして、東京では2人は一緒に住もうと言うことになったのだ。
 薫の躯は今では日光に直接当たらないでいることと、接種している女性ホ
ルモンの影響もあるのであらうが、肌が白く透き通るような感じになってき
てまるで女性の肌だ。
俺が性交の度に精液を大量に(でも、ないか?)注ぎ込んでやっているので
(これは、俺の妄想か?)、お尻にも丸みが出て来て幅も広くなったような
気がする。
彼女の胸も毎日のように揉んでやっているので、乳房と言ってもいいような
ものに変って来ている。
本当のところは、医者から処方された薬を彼女が毎日飲んでいるお陰である
ことは重々承知しているのだが、俺はそう思いたいのだ・・・

俺の勤務と、彼女の躯が日に日に女らしく変化をしているのを合わせて考
えると、彼女が男性としてこのアパートでの生活も限界を向えている。生
活を変えた方がいいと俺は思ったのだ。
我々のことを知らない人達が集まった東京で、新居を構えて新しい生活をした
方がいいようである。
俺は大将にそのことを相談した。大将も「その方がいいだろう・・」と賛成し
てくれた。だが、寂しげな顔をしていた。
薫も千寿さんに相談したらしい。
千寿さんも自分達が同様の理由によってこの街へ移って来た過去の思い出が
あるので、大将同様に賛成してくれたようだ。
しかし、「寂しくなるわね・・・」と言って涙ぐんでいたとのことである。

俺は一つの目論見があったのだ。
2ヶ月も前から会社の帰りに料理教室に通っていたのである。まだ、初歩の
段階ではあったが包丁を旨く使いこなせるようになりたかったのである。
基本はマスターしたと思っている。 【続く】

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