fc2ブログ

記事一覧

小説 舞の楽園 ( 私は薫 )


        「 薫 」 (50)
 
      < 開店の準備 >
   兄さんは店が上下にあることから、1つのアイデアを思い付いた。
 1階は大衆向けの料理店として、2階は割烹か料亭のような個室とカウンター席を造る
 と言うのだ。
 そして、割烹の方には女将として私とお母さんを入れるようにしよう・・・と言うもの
 だあった。カウンターの中には2人の女房達が入って、客の接待をして貰う・・・と言
 うものである。
 少々狭くなるが、1階と2階の入り口は別々にして、階段の下にトイレや倉庫のような
 ものを作って、スペースを生かすようにして、2階にはリフトを使って料理を運ぶよう
 にする・・・と云う考え方であった。無論、連絡用の電話やトランシーバーは完備しな
ければならない。
 そうすることにより、落ち着いた雰囲気を好む人達には2階を利用して貰い、1階の方
 は若い人達や家族連れが気軽に入れるリーズナブルな店になるのではないか・・・と云
 うのである。

  早速その案に沿って兄さんと2人で工務店を当たり、デザイナーを紹介して貰った。
 デザイナーにはこちらのアイデアを述べた上で、掛けるお金は出来るだけ低く抑えた
 シックな物にして欲しいと頼み込んだ。
 「難しい問題ですが・・・やってみましょう・・・」
 デザイナーは頭を掻いて言ってくれたので、一安心である。
 兄さん夫婦は、俺達が工務店廻りをしていたので、予定よりだいぶ遅くなってしまった
 が、帰らなくてはならない。その足で駅に向かった。
 俺達は見送りに行った。

  1週間もしないうちに3通りのイメージ図面が出来上がって来た。
 いずれもコンピューターで作成した写真付きの図面で、デザイナーは「今ではコンピュ
 ターで描くので、アイデアさえ浮かべば早いのですよ・・・」とは言っていた。現場の
 見取り図を入力して、アイデアをその上に加えて行くと言うソフトもあるようだ・・・。
 そういえば、自分で設計・デザインをするマイホームとか言うソフトも、コンピューター
 のソフトの目録で見たようなことがあるような気がする。

  そのイメージ図面3通を持って、兄さんの元に行くことにした。
 1週間前に兄さん夫婦には会ったばかりではあるが、薫も連れて行くことにした。薫も
 会いたいだろうと思ったからだ・・・
 家に電話をして薫を呼び出すことにしたんだ。駅で待ち合わせをして電車に乗り込んだ。
 電車にのろと相変わらず、薫は上機嫌ではしゃいでいる。まるで子供のようである。
 普段は買い物か散歩ぐらいしか我が家を出ることは無いのだし、上機嫌になるのは当たり
 前かも知れないと思って彼女を見ていた。
 だが、薫の本当の姿を知っている俺は、如何して薫がこんなに無邪気になれるのか不思議
 である。
 しかし、俺は無邪気にはじゃいでいる薫が大好きなのだ。

  兄さんの家へ着くと、姉さんを伴って店に行き、兄さんにイメージ図面を見せた。
 「これが・・・いいんじゃないかな・・・」
 3枚の図面の中の1枚の図面を見て兄さんは言っている。俺もそのイメージ図面が1番
 良いと考えていたので、兄さんとイメージが一緒なのでホッとしている。(続く)
      
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

舞

Author:舞
FC2ブログへようこそ!