小説 舞の楽園 ( 正太様の女 )
- 2023/11/17
- 22:51
正 太 様 の オンナ ー 1
< 離婚して・・>
私はある有名商社に勤務する商社マンでした。
名前は松浦 隆と申します。
6年ほど前まで、インドネシアの木材の買い付けをする仕事をして
いました。
部下のミスで、会社に莫大な損害を与えてしまいました。
直属の部下のミスで、何週間も現地に泊まり込んで修復を図ったのです
が、結局会社は違約金を支払いまして、契約は取れずに、会社に莫大な
損害を与えてしまったのです。
課長の私は責任を取って、と言うよりも 責任を取らされて閑職に
追い込まれました。
一年間は閑職に我慢をしたのですが、商社を辞めてしまったのです。
退職金は無しで、雀の涙ほどの慰労金と言う名目のお金を貰いました。
45歳になっていました私は、妻にその事実を話しました。
妻の態度が大きく変わったのが、ちょうどその頃でした。
妻は金がない私を見限ったのではないか・・・と思います。
金の切れ目が、縁の切れ目・・とよく言われるじゃありませんか?
私はその後。職業安定所を通して、小さな建設会社の経理の仕事を
見つけました。
そこは、給与も今までの半分以下でして、仕事にも張り合いが無いの
です。
私を見限った妻は浮気を始めたようなのです。
今考えると・・それ以前かも知れません。
私がインドネシアに出張しまして、大変な苦労をしている間に、浮気
を始めたのかも知れません。
妻は私よりも5歳年下なのですが、浮気相手の彼は妻よりも5歳位
年下なのです。
彼の元へ、私と当時中学3年生だった息子を置いて、家を出て行って
しまったのです。
それが・・私が商社を辞めた半年後のことです。
私はその当時。就職活動に忙しくしていまして、それと、妻が私と
SEX をするのを拒否していまして、同衾することは無くなっていた
のです。
別々の部屋に寝ていまして、家庭内別居と言うやつです。
本当のことを申しますと・・もう既に、妻の浮気を疑っていました。
妻とは SEX をする気も起らなかった・・と言うのが私の気持ちで
した。
「 さようなら。私を探さないで下さい」
私がやっと見つけた建設会社に行っている間に書いたと思われる、
走り書きの便せんが1枚机の上に置いてありました。
その後。妻からの離婚届が郵送で送られて来ました。
「 印を押して、提出して置いて下さい」とこれもたった1枚の便
箋が付いていまして、謝罪の言葉すらありませんでした。
妻が家出しましてから、未練たらしく、妻の実家に行ったりして
行方を捜していたのですが、実家の方も「 妻の行方は知らない」と
もことです。
妻とは連絡も付きませんし、もう、やり直す気持ちも失せています。
そして・・離婚届に印を押して、市役所に持って行ったのです。
その時は、理不尽とも言える振る舞いをしました妻に対して、私は
怒りさえ覚えておりました。( つづく )
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