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小説 舞の楽園 ( 正太様のオンナ )






   正  太  様  の  オンナ ー  2

そう言う訳で、1人息子の正太を育てることも、私がするしかなかった
   のです。
   何はともあれ・・私の息子なのですから・・


     今度の会社は、前の商社と比べ物にならないほどの小さな建設会社で
   した。
   仕事も単調でつまらないと思うほどの、経理の仕事です。
   課長も私よりも10歳も若い人です。
   遣り甲斐の無い仕事ですが、生活の為には仕事をしなければなりません。

    経理の仕事ですので、9時から5時までとキチッと勤務をしたならば、
   仕事は務まります。
   商社の時代とは違って、残業もほぼありません。
   7時前にはマンションに帰宅しておりました。

私のマンションは3DK で分譲住宅として購入した物件です。
   後5年で支払いも終わるので、私は後5年は働きたいと思っております。
   
    離婚をする前は、寝室として8畳間 ( これは私の部屋でもありまし
   た )それから、妻の部屋として着替えの6畳間、1人息子の正太の為に
   6畳間として使っていました。

    浮気を疑っている私と妻の仲が悪くなってからは、妻は私と一緒に寝室
   を使うと云うことも無くなりました。
   妻の部屋の方に布団を敷き、私とは同衾することも全く無くなりました。
   もう、妻と同衾する気が失せていた私は、その方が気が楽でした。

    息子の部屋ですが、元々放任主義の私としましては、息子の部屋には
   入ったこともありませんでした。
   私の仕事が忙しいと云うこともあったのです。



妻が、いえ元妻が家出をした時に、余程急いでいたのか、それとも私が
   余程嫌いになったのか判りませんが、( 後者の方ですよね )兎に角
   身一つで出て行ったのです。

    元妻にお金の管理を一任していたので、幾ら預金してあったのかは知り
   ませんが、預金通帳と私が買って上げた貴金属の類は残っておりませんの
   で、持って出たのでしょう・・

    妻の持ち物の洋服や下着の類は、全部と言って良いほど残っておりまし
   た。
   元妻は虚栄心の強い女でしたから、また、商社時代の私の収入も良かった
   ので洋服も下着の類は高級な物です。
   それが・・箪笥 2 張りと洋服ダンスと、それから家に作り付けの洋服
   タンスの中に一杯あったのです。
   全てが高級そうな物ばかりでした。


    最初のころは、出て行った妻を憎いと言う気持ちと、内心では帰って来
   てくれないかな と言う気持ちとがない混ざって、悶々とした日々送って
   おりました。
   だから・・元妻の洋服や下着の類を捨てられなかったと思うのです。

    いえ・・それよりも、私は若いころより少しだけですが、女装願望があ
   ったのです。
   勿論、女装したいよ言っても、女装したことは一度もありません。
   『 女になれたら素敵だな・・』と思ったことがある程度ですが・・

    元妻の衣類を捨てようか、如何しようか・・と迷っている内に、息子
   の正太は中学を卒業しまして、高校生になっています。( つづく )

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