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小説 舞の楽園 ( そうすれば家族 )




そうすれば家族・・{ カミングアウト } ( 3 )

  
   妻は病院に入院したきりになってしまいました。
  私も息子も月に2~3回は必ずお見舞いに行っております。

   手術をしました病院は、何しろ自宅兼お店から50kmも離れていますので、
  思うようにお見舞いには行けないのです。
  私にはお店がありますし、息子は学校があるのです。

   決して太っていた妻ではありませんが、痩せてガリガリになってしまってお
  りました。
  私と息子がお見舞いに行くたびに、やせ細っているようです。
  息子は「 お母さん。早く元気になってね!」 と言って励ましていますが、
  私は『 もう助からないのでは・・?』と内心では思っておりました。


       < 車の中で・・>

   妻が手術を受けて入院してから約5か月後の春の水曜日のことです。
  今度、高校3年生なる息子の和樹と私は2か月ブリぐらいで、2人揃って病院
  へ行きました。

   家業の惣菜店の方は、父の代から土曜・日曜日は営業しております。
  水曜日だけが休業日なのです。
  そして・・息子の和樹h学校がありまして、病院には一緒に行くことが出来ま
  せん。

   そこで・・学校が春休みになるのを待って、一緒に行くことになりました。

   痛々しく痩せた妻は病床で私達を迎えてくれたのです。
  もう歩くことも、ベッドを立てて話をすることも出来ないのです。

   それでも。。喜んでくれまして、帰りがけには「 お父さんを宜しくお願い
  ね・・!」と息子に言っていたらしいのです。
  逆に、私のことを心配してくれたようです。
  息子は「 任せてよ・・お母さん」と言っています。
  
   私と言えば、ガリガリにやせ細った妻を見ていることが出来ませんで、ト
  イレへ入って泣いていました。


   その帰り道のことです。
  その日はお店もお休みで時間もありましたので、高速道路を使わずに一般道
  で帰ることにしました。

   久し振りに軽自動車の助手席に座った息子は往きは学校のことなど、私の
  質問にも結構答えてくれました。
  帰りは何か考え事をしているようで、口が重いのです。

   もっとも。息子は普段から、私に対しては無口なのですが・・
  けれども、問に対してはチャンと答えてくれるのです。
  しかし・・息子から話題を提供することは、滅多にありませんでした。

   『 息子が妻の病状を見て、ショックを受けたのだ‥』と思っておりまし
  た。


   その帰り道です。 5kmぐらい森の中を通ります。

   「 チョット!・・その径を入ってよ・・」
  曲がりくねった登り坂になっていまして、スピードは出ていません。
  何処に行くのか判りませんが、小径の入り口がありました。(つづく)  
    





















      
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