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小説 舞の楽園 ( そうすれば家族 )




そうすれば家族・・{ カミングアウト } ( 38 )

    当たり前ですよね・・
  高校3年生の男の子が・・それも、パートの皆さんの息子さんよりも年下で、
  可愛がっていた男の子が・・「 僕の嫁さん」と言って女の人を連れて来た
  のです。
  その女の人が・・お化粧をして若造りをしていると言っても、あきらかに
  自分よりも年上の女を「 嫁さん 」 と言って紹介しているのです。

   そして・・その女の人が、今まで男性であった私=社長なんです。
  それも・・義理とは言え父親であった男性なのです。

   驚かないほうが・・可笑しいですよね。


   こうなったら・・私も覚悟を決めました。
  女って・・度胸を決めると強いのです。

   「 皆さん・・」
今まで、無論2階のお家の中だけでしたが・・練習して来ました高い女声で
  しゃべり始めますと、パートさん達の騒音が止まります。
  誰もが、不審そうな顔をしています。

   「 わたくしは・・女になりましたのよ。男を捨てて女になりました。こ
  こにおります和樹様のオンナに・・いえ、妻になりましたのよ・・」
  一呼吸置いて、確信からズバリと言いました。

   「 わたくしの夫となりました和樹様によって『 頼子 』と言う素敵な
  名前もいただきました!皆さんもわたくしを呼ぶときには・・どうぞ、頼子
  と呼んで頂きたいと思っております・・わ」
  パートのオバサン達は呆れ返ったのでしょうか、それともショックが大きか
  ったのでしょうか・・私の顔と和樹様のお顔を交互に見ていました。

   「 今日こうして・・女になったわたくしを皆さんにカミングアウトする
  ことは、わたくしが望んだことでございます。そして・・夫も賛成して下さ
  ったことでございますのよ・・」
  パートさん達は顔を見合わせて、しわぶき1つしませんでした。

   「 それから・・このお店を閉めることも考えました・けれども、もし
  皆さんが女になりましたわたくしを認めて下さるならば・・でございますが
  ・・父親の残したこのお惣菜のお店を・・今まで通り続けて行きたいと思っ
  ておりますのよ・・」

   「 どうか・・女になりましたわたくしを‥認めては下さいませんこと・
  ・・?」
  「 皆さん・・宜しくお願いいたします・
  そこまで、私が言って頭を下げますと、パートさん達の顔がパーッと明るく
  なりました。

   話の途中から、女になりました私を認めるならば・・自分たちの明日に
  繋がることが理解できたのでしょう・・
  そして・・興味深々の最初の顔に戻ったのです。


   「 わたし達。今まで通りこのお店で働けるのね・・?」
  「 わたし達は・・社長さんが男性でも、女性でもいいわよ! ねっ!」
  社長が変わっても、自分達が今まで通り働けるのだ・・と判って安心したの
  でしょうか、パートさん達は笑顔を取り戻しました。

   お惣菜を作る作業ならば、他のところにもあるとは思われますが・・この
  お店は余程居心地の良いようです。


   結局のところ、私のカミングアウトは成功したようです。(つづく)


  
   














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