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小説 舞の楽園  ( アマン )

   
         アマン  《 18 》
   ボックス席に座ったマネージャーの方は「マスター・・は?」などと言う野暮なことは
 聞いてはいません。しかし・・私の顔を穴が開くほど見ていました。
 「どうぞ・・宜しくお願いいたします・・」
 事前に森嶋様と打ち合わせをしました通りビールをお出ししてお注ぎしますと、森嶋様のお
 顔と私の綺麗にお化粧をした顔とを交互に見詰めています。
 「彼女・・ですか・・?」
 私が立ち上がりカウンターの中に戻ろうとしますと、思わず聞いてしまったと云うように、
 森嶋様に聞いています。
 「うんっ・・イイ女だろう・・?」
 プリプリと動くドレスに拠って大きく張り出したお尻を見ながら、森嶋様はニヤニヤと笑い
 ながらそう言うのを、私は目の端に捕えていました。

  「そうだな・・お前にも紹介して置くか・・!」
 「オイ。真琴。ここに来い・・!」
森嶋様は呟いて、冷えたビールを取り出してカウンターに並べている私を呼びました。
「ハ~イ。だだ今・・」
やっと慣れました銀色のハイヒールのサンダルを急がせて、森嶋様のお隣にすわりました。
「紹介しよう・・マネージャーの神立君だ・・!こちらは俺の彼女になった真琴だ・・!
神立君は優秀なマネージャなんだよ・・」
「宜しくお願いいたします。3年生の神立と申します・・」
立ち上がって90度の角度で頭を下げております。
「こちらこそ・・宜しくお願いいたしますぅ・・この前お会いした時には、ご挨拶も出来
ずに失礼いたしました・・」
柔らかな女言葉で私が言いますと、彼はハッと気が付いたようです。目が本当に真ん丸く
なりました。

 「アッ・・アッ。あの時の・・マスター・・・ですか・・?」
突然の告白に神立さんは気が動転したのでしょう・・°ドモッて森嶋様のお顔を見てから
私の顔を凝視しています。
「そうよ・・森嶋様に・・オンナにして頂いたのよ・・」
彼の動揺する様が可笑しくって私は声には出しませんでしたが笑って、森嶋様とのことを
暴露しました。もうこうなったらば・・私の肝は据わっております。
「俺が・・真琴をオンナにしたんだ・・!いい女だろ・・?」
森嶋様は平然と申していました。ご自分が男の人のお尻を掘っていることなんて、意にも
解さないと云ったご様子なのです。

 「・・・・」
マネージャーの神立さんは絶句して、私の綺麗にお化粧をした顔を穴が空くほど見詰めて
おります。
森嶋様はニヤニヤと笑っています。神立さんは信じられないと云う顔をしておりました。
けれども・・「彼女のお釜を掘っているのですか・・?」とは上級生で部長である森嶋様
には聞けないようです。本当は聞きたくて堪らないようでした・・が・・
それから15分後、下級生達がドヤドヤとお店に入っていらっしゃるまで、神立さんは私
のドレスのスリットから垣間見える白い足ばかりを見ているようでした。
その顔は『わたしをオカマ』として見ているのでは無くって、『1人の年上の美人の女』と
して見ているようでした。
羨ましそうな目付きに、私の女としての自信に繋がる目付きでした。(つづく)



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