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小説 舞の楽園 ( スキャンダル )

        スキャンダル (15)
  (5、幸田専務の副社長への昇格
 西山精器常務の岡崎は東銀座にある割烹の奥座敷で専務の幸田を待っている。
デップリと太った貫禄のある岡崎の前には山海の珍味が整えられて、岡崎は手
酌で杯を口に運んでいた。
総務部長の岩城が自分のセックススキャンダルを手に入れたいらしいことが
美樹を通して判ると、岡崎は進んで自分と美樹との交悦を盗撮させている。
もうそろそろ、幸田専務と決着をつける時期に来ていると判断したのだ。
「あなたと秘書との面白い写真が手に入りましてね。・・・この写真を如何す
るか、相談したいと思いましてね・・・・」
幸田専務は岡崎のところへ電話を入れてきた。
「ほう。面白い写真ね。見てみたいものですな・・。わたしの方もお見せした
いものがあるのですが・・・」
もうそろそろ、幸田から連絡がある頃だと思っていた岡崎は言って、今日、東
銀座にある割烹で会うことにしたのである。

 ちよっと遅れて割烹に現れた幸田専務は早速プリントしたデジカメの写真を
黒塗りの座敷テーブルの上に広げた。
「これがマスコミに漏れたら如何なさるおつもりで・・・」
勝ち誇った表情の幸田は痩せた体躯を伸ばして自信満々の表情でいっている。
「ちと厄介なことになるでしょうな・・・しかし、専務はこれをマスコミに
リークはしないでしょうね。まあ、一杯いかがですか?折角ここへ来ていた
だいたのですから・・・」
岡崎は余裕で言って、杯を取り上げて酒を注いでいる。
「専務のMプレイのビデオと総務部長の私の部下に対するレイプビデオがこち
らにあるんですよ」
幸田専務は蒼くなっていた。
「見ますか?専務が新宿のSMクラブ<沃化>で丸裸で縛られて小便を飲まさ
れているビデオを・・・」
岡崎はセットしてあるビデオテープを廻すようにテーブルに置いたリモコンを
取り上げた。
顔色を変えた幸田専務は慌てて手を横に振り苦笑いをしつつ、テーブルの上に
広げてあったデジカメの写真を拾い集めて丸め、ライターで火を付けている。
(続く)
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