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小説 舞の楽園 ( 犯されて )

       犯されて・・  < 10 >
   会社から歩いて5~6分のところにある駐車場に来ています。
 浜中は1台のセリカの前まで行くと、コントローラーで解錠をしています。そして、「乗
 るように・・」と手振りで合図をしています。相変わらず無言でした。
 浜中の家は柏の方にありまして、飲むと云うことが判っている日以外は車で通勤してお
 ります。その為に、駐車場を借りているようです。
 緊張をしている節男もまた、無言でセリカに乗り込みました。
 シルバーグレイのセリカはやや乱暴気味に駐車場を出まして、節男の知らない狭い道路
 を走っています。
 車内にはポップス調の音楽が流れていましたが、相変わらず無言の浜中はやや怒ったよ
 ような態度で運転しています。小心者の節男にとっては、浜中の怒っているような態度
 は怖いのです。言いたいことも言えずに、節男も無言で前ばかり向いていました。

  30分ばかり走ったのでしょうか、突然セリカはハンドルを切って1軒のモーテルに
 入ったのです。
 そのモーテルは1階が駐車場になっていまして、2階の部分が部屋になっているよう
 でした。モーテルに入ったことの無い節男がセリカを降りますと、浜中はセリカの扉を
 閉めて、先に立って階段を上がっています。
 頭が真っ白な節男も後に就いて行くしか方法がありません。引かれるように2階の1室
 に入りました。浜中は部屋の錠を降ろしています。

  彼女のいない節男はこう云うモーテルに入ったのは初めてでした。
 中には16帖ぐらいの続きの部屋がありまして、奥の部屋には大きなダブルのベッドで
 塞がっています。ベッドの足元の手前の部屋にはいかにも安物と思われるガラスのテー
 ブルと2人掛けのソファーが置いてありました。
 向かいの棚の上にはテレビと小さな冷蔵庫とお茶のセットが置かれています。

  「裸になれ!」
 会社を出てから怒ったような顔をして無言を貫き通して来た浜中が、部屋のスイッチを
 入れてから突然に言いました。
 それも、押し殺したような低い声で、命令口調でです。
 いかにもSEXをするために作られたと云うモーテルの内部の雰囲気に圧倒されたよう
 に立ち竦んでいた節男はハッとしたように浜中を見ました。
 浜中は怖い顔を崩してはいなく、ジッと節男を見詰めています。
 節男には、あんなに豪放磊落で人なつっこい笑顔を浮かべていた浜中とは、同一人物と
 は思えません。
暫く見詰め合っていました。先に視線を反らしたのは節男でした。浜中は『勝った・・』
と思った瞬間です。

  浜中も節男が好きだったのです。
でも・・肉欲の対象では無く、会社の先輩として自分には無い緻密な性格の彼が好きだ
ったのです。
旅行先のホテルで同室になれば、いろいろと彼の話を聞けるだろう・・と思って、慰安
旅行では幹事の特権で同室に決めたのです。
それが・・心ならずも、節男の抜けるような白い身体を見てしまい、節男の肉体を犯し
てしまったのです。あの時点までは、そんなことになるなんて夢にも思っていませんで
した。
でも・・犯してしまったのですから、この事実は消すことが出来ません。
『いっそのこと・・俺のオンナにしてしまおうか・・・』と考えたのです。この2日間
悔恨と共に考え抜いた結果でした。
『あの白い躯を、女のような無毛の華奢な身体を、俺に傅かせて、奉仕をさせなければ
・ ・・』と思うと彼自身が勃起してくるのを押さえることが出来ませんでした。
浜中はチョッピリサドでした。(つづく)
 
 
 
      
   
        

 
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