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小説 舞の楽園 ( 犯されて )

       犯されて・・  < 15 > 
   「節子」
 強い調子で浜中は節男に呼びかけました。
 「・・・・・」
 チリ紙を股間に挟んだ節男はオドオドと年下の後輩を見詰めます。
 「節子。呼ばれたらば返事をせんか・・? 『はい。旦那様』と必ず付けて、返事を
 するんだ・・・!」
 「節子。まず・・お礼は・・?名前を付けてくれた旦那様にお礼を申し上げるんだ・
・ ・」
オドオドとした節男を見て、浜中は節男を「オンナにすること」に自信を持ったのです。
ますます居丈高になって、命令していました。そうすることが、『今の節男と自分の関係
を決定することだ・・』と思ったのです。

 「はい。旦那様。節子と言う名前を付けて頂きまして、ありがとうございます。節子は
オンナとなりますよう努力をいたします・・」
今日も、思いも掛けない方法でモーテルは連れ込まれて浜中の巨砲で犯されてしまって、
又も逝かされてしまった節男には、もう浜中に逆らおうと云う気持ちなど失せておりま
した。
これから先のことも、そして浜中が年下で会社の後輩であることも考えられずに、阿る
ように答えていたのです。
「良し!いい娘だ・・・!だが・・節子よ・・。女がそんな男言葉を使う・・か?女
なら、女のイントネーションでもっと女らしく言うんだ・・!女言葉を使え・・・!」
節男の観念したような態度を見て安心して余裕を持って来た浜中はゴロンと寝返りを
打って枕元に置いたタバコに手を伸ばしました。
そして、すっかり従順になった節男に対して諭すように、言ったのです。

 「はい。旦那様ァ。節子と言う名前をお与え下さいましてありがとうございます。
節子は・・ご主人様の良きオンナとなりますように一生懸命努力をする所存でござい
ます。・・・ですから・・節子を、どうぞ可愛がって頂とうございます・・」
最後は床に座らせられて三つ指まで突いて、何回も言い直しをさせられて、節男は言
い直しています。
節男は怖い浜中は嫌いだった。『自分に優しく接してくれるのならば、浜中のオンナに
なってもいい・・』と思ったのです。
『男らしいところの無い自分は女になることが運命だった・・』と考えていました。
考えてみると、『自分の肉体はちっとも男らしくは無い・・』と前々から思っていまし
た。
浜中のように如何にも男らしい肉体に憧れていました。でも・・・自分には到底なれ
ません。『女になることで、自分には無い肉体を手にすることができるのだ・・』と
考えたのです。
浜中の言うように、『オンナになることこそ当然だわ・・』と考えたのです。節子に
なることにしたのです。(つづく)

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