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小説 舞の楽園 ( 犯されて )

       犯されて・・  < 53 >
   「節子。結婚式を挙げようか・・・?どこか南の島の教会で、2人切で・・な」
 9月も中旬の朝のことでした。今日は珍しく早く起き出した浜中が、節子の用意した朝食
 を食べながら、食卓の対面に座った節子に突然のように言い出しました。
 何時もの浜中は朝が弱いのです。
 「旦那様。会社に遅れるわ・・・」
 節子が起こしてもなかなか起きようとはしないのです。
 「エ~ッ・・・」
 節子は驚いて絶句をしております。
 浜中がここのところ、考えに耽っていたことを知っておりました。節子は浜中が思いに耽
 っていた内容は解りませんでしたが、『自分とのことであろう・・』とは思っていました。
 『もし、年上の男の自分が身を引けばことが収まるならば、悲しいけれど自分は身を引こう
と・・・』 とまで考えていました。

  「これは・・俺のプロポーズだと思って欲しい・・・。お前をオンナにした俺の責任
 の取り方だと考えて欲しい・・・」
「お前は如何思っているのかは知らないが・・俺はお前が大好きだ!一生添い遂げたいと
思っているんだ・・・」
「2人だけでも式を挙げて、お前を養って行きたい・・と思っている・・!」
不器用な浜中が姿勢を正してそう言い出したのです。
浜中の真剣な言葉に、節子は顔を両手で覆って泣き出しておりました。
「嬉しい・・わ。旦那様が・・・そう言って下さるのはとっても・・・とっても嬉しいの
ですが・・・私は今のままでも・・・幸せなのです・・。それを・・・結婚だ・・なんて
・ ・・」
節子の言葉は続きませんでした。
浜中が全部を言わせずに、節子の唇を奪っていたからです。

  「それに・・節子はもう・・・男性に戻るのは無理じゃないかと、俺は思っているん
だ・・・。背広を着て仕事に出る姿は痛々しくって、見て居られないんだ・・。会社でも
お前が女になっている・・と云う噂で持ちきりになっているのは、知っているのだろう
・ ・・?」
立った浜中は胸の中に節子の頭を抱え込んだまま、節子の顔を覗き込んでいました。
「・・・・」
節子は頷いていますが、しゃっくりを繰り返している節子には返事は出来ないようです。

 「節子。今日社長に会って、辞表を出して来い・・・!俺も就いて行って・・社長に
本当のことを離す積りだ・・・!」
「『俺たちは結婚します・・・』と言え!俺は覚悟を決めた・・・!お前も覚悟を決めろ」
「そうだ・・・今日は女の恰好で、会社へ行くのだ・・・!俺がエスコートしてやる・・
 いいな!」
浜中は自分も覚悟を決めるように言っております。
確かに節子の男姿には無理がありました。女性ホルモンの影響でしょうか・・肌は白く
ツルツルですし、乳房も膨らんで来ましたし、腰回りも大きく張り出して、女性です。
(つづく)


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