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小説 舞の楽園 ( 犯されて )

        犯されて・・  < 56 >
   「そ。そんなんじゃ・・ありません。節子が会社にいると、迷惑が掛かると思って・
・ ・。僕は今まで通り働かさせて貰いたいと・・・それでも・・いいんですか・・?」
浜中は意外な社長の言葉に呆気に取られてしまいました。焦ったように言っています。
彼は『社長夫妻が女らしい節子を見て、女として認めてくれたのだ・・』と思ったようで
す。『節子の能力からして、引き留めるのは喜ばしいことだ・・』とも思いました。
そして・・自分のことも、ついでに確認して置きたかったのです。

 「無理だわ・・。ねえ・・あなた・・」
 「浜中君も顧客の評判はいいし・・辞めたらば困る。第一、君は新しい職場が決まって
 いないんだろう・・?節子さんを養はなければならないのだろう・・?」
 節子が浜中に言うと、社長はニヤリとして浜中の方を向いて、片目を瞑りました。
 「判りました!節子。ここで・・この会社で働いてくれ・・!俺からもたのむ・・よ」
 浜中は社長の意を汲んで、節子に向って頭をさげています。
 節子が嬉し泣きに泣いたとは、言うまでもありません。


  会社の中では社長の訓示もありまして、節子は今まで通りに仕事をしております。
 勿論、女性としてです。
 会社の皆も、節子の女らしくなった容姿に感心する人はいますが、節子を悪く言う人は
 いませんでした。総務の女の係長として受け入れてくれたのです。

  私生活の方は、浜中は節子を今まで以上に可愛がるようになっていました。
 今度の会社がお休みの土・日には、浦上さんが彼女を連れて公団住宅を訪ねるという
 ことになっています。
 節子は浜中に犯されて、おんなに・・いえ、彼のオンナになったことを後悔はしてい
 ません。(おわり)
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