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小説 舞の楽園 ( 台湾1周 )


         台 湾 1 周 - 5
  私はお酒は全くと言ってもいいくらいにダメなんです。
 でもその時は『旅行に来ているんだ・・・』と云う解放感からか、『少量ならば良いで
 あろう・・・』と言う気持ちになって頷いていたのです。
 彼のお猪口を口に運ぶ動作が余りにも堂に入っていたのも、頷いた原因の1つだろうと
 思っております。
 「パイカルはある・・・?」
 ラウンジの止まり木に腰を降ろした彼の一声です。
 「アルヨ」
 「それを貰おう・・・。2杯・・な」
 2本の指を示しています。台湾人のマスターに彼は聞いています。マスターも日本語が
 慣れているのか、中国人特有のアクセントで答えると、水のように透明に澄んだお酒
 をコップに注ぎまして、お摘みのピーナッツを添えて2人の前に出しました。
 1合は優に入るであろうコップにナミナミとです。

  パイカルとは白乾と書くのだそうです。河津さんが教えてくれました。
 「昔、東京に勤めていた頃だから・・・もう35年以上も前になるかな・・亀戸のウラ
 ブレタ飲み屋で白乾を良く飲んだものだ・・・」とチョッピリ懐かしそうな口調で語っ
 たものです。
 白乾は飲むとアルコール度数は高いのでそうです。しかし、口当たりは良くって、アル
 コールにからきしな私でもコップ半分ぐらいは飲んでしまったほどです。

  45分ぐらいそのラウンジに居たのでしょうか? 「帰ろう・・か?」との彼の声で
 私は立ち上がろうとしました。フラツクのです。
 アルコールに弱い私は酔って足に来てしまったのです。頭はハッキリとしているのです
 が、足が縺れるのです。
 テーブルに寄り掛かってしまっています。
 「オット。危ない! 酔っぱらってしまったのかい・・・?」
 彼は焦ったようです。あのくらいの酒で酔っぱらうとは思っても見なかったようです。
 そう言って、私の肩先を支えてくれました。
 そのラウンジの支払いは彼が払ってくれたのです。

  エレベーターまでも彼に支えて貰わないと、普通には歩けないほど私は酔ってしま
 ったのです。
 今夜のお部屋のある5階に到着しました。少しの距離ですが、私はもうグデングデン
 の状態でした。
 505号室の私の部屋の鍵を、彼は私のズボンのポケットから取り出してくれて、扉
 が開き私は中に入りました。
 ハッキリとはしませんが、「スミマセンネ・・・」と酔った口調で謝っていたようです。
 彼は私をベッドに寝かせてくれたようです。お酒を飲むと私は直ぐに眠たくなってしま
 うのです。
 その時まで、『男のわたしが、男性の彼に襲われる・・』とは夢にも思っておりません
 でした。(つづく)


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