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小説 舞の楽園 ( 台湾1周 )


         台 湾 1 周 - 21
  第2の不安は・・・
 現実に女になったとしまして・・・もしも、形だけでも結婚しまして、彼と同じ住宅に住ん
 だとしまして、男だった私が本当に添い遂げられるものでしょうか・・・心配なのです。
 夫婦と云うものは愛情だけでは続かないものだと思います。
 私も結婚してから何度か争いがありました。『離婚しようか・・・』と考えたこともありま
 す。男と女の場合でもそうなのです。それが・・・男と男の場合は如何なるのか見当も付
 ません。
 彼の一時の気まぐれ・・とまでは行きませんが、私にはそれが不安なのです。

  「暫く時間を置きましょうよ・・・。わたしにも、あなたにも、しなくてはいけないこ
 とがイッパイありそうよ・・・。わたしも考えるから、あなたも冷静になって考えてちょう
 だい・・・」
 私は精一杯の媚を売って、彼にお願いしています。
 「ウン、だけど・・・俺の気持ちは変わらないと思う。僕は真剣なんだ!」
 真剣な彼の眸を見まして、私は自分の中途半端な不安な気持ちを口にすることは出来ませ
 んでした。
 しかし。年上の者としての落ち着きは取り戻していました。
 いえ、求婚までされて、舞い上がったしまった心を覗かれないように、落ち着いた態度を
 取っていただけかもしれません。

  その後ホテルへ帰って、ホテルのチェックアウトまで彼に抱かれました。
 日本に帰ったならば、彼はお仕事もあるだろうし、頻繁には会えなくなるだろうと考えた
 からです。
 全身を無毛にした私を、彼は愛おしくって仕方がないようで、あらゆるところを愛撫して
 下さいました。
 私は気の遠くなるような怪美感に襲われまして、彼にのが精一杯でした。


  桃園空港を夕方の4時30分に出発しまして帰国の途に就きました。彼は相変わらず
 隣の席です。
 男の姿なれど、彼に話掛けられると女の言葉で返事をしてしまいそうで、周囲の人達の
 目を気にしている私です。特に4人連れのオバサマ達の前では尚更です。
 もし、彼との関係がバレたらば何と言われるのか、判らないから隠すのに必死です。
 「ここで・・・お別れね。あなた達もお幸せにね・・・」
 成田空港のロビーで解散する時に、4人の中でも1番話好きのオバサマがニコッと笑っ
 てお別れの挨拶をしていました。
 「ウン。元気でね。また、何処かで会えたらいいね・・・」
 彼は平然と答えていますが、私は『2人の仲を知られてしまったのでは無いかしら・・』
 と思い赤くなったようです。オバサマ達には悪気はないようで、私が丁寧に頭を下げ
 ますと、「サヨウナラ」と言ってくれました 。
 「『あの2人は普通の仲ではない。出来ているんじゃないか・・・』と彼女達は噂をして
 いるかも・・・」と判っている積りでしたが、彼女達に悪い印象を与えていないことが
 私には救いです。(つづく)

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