小説 舞の楽園 ( 社長と出張して )
- 2018/12/05
- 00:10
社長と出張して -1
(1) 経理課長の私
私は長野市のある繊維会社の社長秘書兼経理課長です。
私の勤めている会社は従業員が30人ちょっとの中小企業なのです。
私は経理課長という肩書きは持っておりますが、私のいる経理課は課員がた
った2人だけなのです。それも、1人は40代の女性と1人は50後半の雑
務兼任のパートのおばさんです。
以前、会社がもっと小さかった頃は、私が会社の経理は1手に引き受けてい
たのですが、私が社長の女に成らせていただいてからは、社長の鶴の1声で
経理課長になったのです。
会社は一応は株式会社となっておりますがこの事実からして、社長のワンマ
ン経営の会社です。
それでも、会社にいる昼間の社長は怖いものは無いようですが、家に帰ると
奥様の方が強いようで、奥様を立てているようなのです。(いや、実際には怖
いと、おっしゃっておられます)
社長は50歳、大柄で太っています。頭は結構禿げていて、赤ら顔で、いか
にも精力が強そうなお人です。事実、昔は女を囲ったという噂もあるのです。
そして、社長は情に訴えると弱いところもありますが、とに角押し出しのほう
は強い方なのです。
えっ、私ですか?
私は40歳、小柄で痩せていて、お腹こそ出てはいませんが、中年の何処に
でもいる親父なんです。
妻はおりますが子供はいません。子供は出来なかったのです。
妻との仲は決して良いと言うわけではありませんが、さりとて喧嘩をしてい
る訳ではありません。
私は色が白いのが特徴と言えば特徴なのです。まるで女のように色が白いの
です。北国の女の人は色が白いと言われますが、長野の女も例によって色が
白い人が多いのですが、その女の人には負けてはいないのです。
この色の白さが私の人生を変えてしまったのです。
(2) ダブルのお部屋
あれはちょうど1年前の出来事でした。
社長のお供をして、私にとっては初めての東京出張でした。
得意先での交渉をしていて夜も遅くなったので、社長は泊まっていこうと言
い出したのです。その日の予定では交渉は早く終わって、長野新幹線で帰る
予定だったのです。
いつも私が予約を入れている、社長がいつも泊まっている東京駅の前のホテ
ルはあいにく満室で泊まれませんでした。
仕方が無く、社長が前に宿泊したことのある皇居の近くにあるホテルへ行った
のです。
そのホテルのクロークで聞くと、「ダブルの部屋しか空いていない」とのこと
で、ダブルのお部屋に通されたのです。
私はシティホテルでダブルの部屋などと言うところは新婚旅行の時以来で、今
から12年も前の話です。
ダブルだとかツインだとか、シングルなんていう言葉すら知らなかったので
す。(続く)
(1) 経理課長の私
私は長野市のある繊維会社の社長秘書兼経理課長です。
私の勤めている会社は従業員が30人ちょっとの中小企業なのです。
私は経理課長という肩書きは持っておりますが、私のいる経理課は課員がた
った2人だけなのです。それも、1人は40代の女性と1人は50後半の雑
務兼任のパートのおばさんです。
以前、会社がもっと小さかった頃は、私が会社の経理は1手に引き受けてい
たのですが、私が社長の女に成らせていただいてからは、社長の鶴の1声で
経理課長になったのです。
会社は一応は株式会社となっておりますがこの事実からして、社長のワンマ
ン経営の会社です。
それでも、会社にいる昼間の社長は怖いものは無いようですが、家に帰ると
奥様の方が強いようで、奥様を立てているようなのです。(いや、実際には怖
いと、おっしゃっておられます)
社長は50歳、大柄で太っています。頭は結構禿げていて、赤ら顔で、いか
にも精力が強そうなお人です。事実、昔は女を囲ったという噂もあるのです。
そして、社長は情に訴えると弱いところもありますが、とに角押し出しのほう
は強い方なのです。
えっ、私ですか?
私は40歳、小柄で痩せていて、お腹こそ出てはいませんが、中年の何処に
でもいる親父なんです。
妻はおりますが子供はいません。子供は出来なかったのです。
妻との仲は決して良いと言うわけではありませんが、さりとて喧嘩をしてい
る訳ではありません。
私は色が白いのが特徴と言えば特徴なのです。まるで女のように色が白いの
です。北国の女の人は色が白いと言われますが、長野の女も例によって色が
白い人が多いのですが、その女の人には負けてはいないのです。
この色の白さが私の人生を変えてしまったのです。
(2) ダブルのお部屋
あれはちょうど1年前の出来事でした。
社長のお供をして、私にとっては初めての東京出張でした。
得意先での交渉をしていて夜も遅くなったので、社長は泊まっていこうと言
い出したのです。その日の予定では交渉は早く終わって、長野新幹線で帰る
予定だったのです。
いつも私が予約を入れている、社長がいつも泊まっている東京駅の前のホテ
ルはあいにく満室で泊まれませんでした。
仕方が無く、社長が前に宿泊したことのある皇居の近くにあるホテルへ行った
のです。
そのホテルのクロークで聞くと、「ダブルの部屋しか空いていない」とのこと
で、ダブルのお部屋に通されたのです。
私はシティホテルでダブルの部屋などと言うところは新婚旅行の時以来で、今
から12年も前の話です。
ダブルだとかツインだとか、シングルなんていう言葉すら知らなかったので
す。(続く)
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