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小説 舞の楽園 ( したたかな女 )

       「 したたかな女 」(2)
 私が海外へ赴任する時には、長男は大学進学を2年後に控えてこれから受験
勉強をしなくてはならない時期でしたし、その下の女の子は当年度の高校受験
を控えている時でした。
そしてこれは妻と2人で話し合って決めたことですが、妻は子供達と家に残
って、私は単身で赴任をすると言うことになったのです。
今では2人の子供達も夫々我が家を出て結婚をして、独立した家庭を持ってい
ます。
彼女は「愛する子供達を立派に育てた」と自負しているようで、「夫の私に対す
る義務や責任は果たせたと思っている」と言っているのです。
「これからは自分のために生きたい」と言うのです。
「今回の京都への旅行は最後の思い出として嬉しかったのだが、夜の生活をす
ると自分の決心が揺らんでしまうと思うので断った」とのことです。
「私に愛想がつきたのか?」
「わたしや女性に対しての見下すような態度を取ることは嫌だけど、他は嫌い
ではない」
私が問うと彼女はそう答えております。
 永い間の単身での海外生活で、特に女性に対してはつい傲慢な態度を取って
しまうことに私は反省をして、彼女の翻意を促したのですが彼女の翻意はなら
なかったのです。
「このことは何年も前から考えていたことだから、今更考え方を正しても覆る
ことにはならない」とまで言うのです。
何日か彼女とは議論をしました。
話し合った結果、彼女は芯の強い女性でして言い出したことは覆すことはない
性格の持ち主であることを知っている私としましては、諦めて別れることに
したのです。
彼女とは真剣に話し合った積りです。そうして、出て来た条件としては以下の
通りでした。
1. 今後も友達としては交際する。
2. 2人が愛する子供達や孫達については、片方だけの者ではないので自由に
会うことができる。
3. 慰謝料ではなく今までの感謝料として、現在住んでいる家は妻が所有する
ものとし、私の退職金から500万円を慰謝料として渡す。
4. もし、どちらかが再婚をしていなくて、病気等で倒れた場合は或いは看護
が必要とする時は互いに助け合う。
と、取り決めをしたのです。

 妻との離別の日がまもなくやって来ました。
家具等は全部妻に渡して、パソコン等私自身が必要とする物だけを持って出
ましたので、軽トラック1台分で充分に運べる荷物の量でした。
 その前に、住みなれた家を出るのに部屋を探しました。1LDKの私の条件
に合う物件が見つかったのです。
下見に行くと、ある私鉄の駅ですが駅から歩いて10位で、駅の周辺には
スーパーマーケットもあり買い物には便利そうです。そして、そのマンション
には契約上何の問題もなくラッキーな物件です。(続く)
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