小説 舞の楽園 ( トルコ10日間 )
- 2019/02/20
- 00:10
トルコ 10日間 < 6 >
<イスタンブールホテルの第一夜 >
お話が逸れてしまいました。
そのホテルのバイキングで食後に私はチャイを頂きました。彼はワインを貰いました。赤い色 が透き通ったワインです。
「綺麗な色ですね・・・」
「飲みますか?」
彼がそのワインをとっても美味しそうに飲むのを見て私が言うと、彼が聞いてきます。
実は、私はアルコールは全くダメなんです。でも旅先であり今夜は寝るだけですし、「ワインはお酒ではない・・・」と言う彼の言葉に従って頷いておりました。
赤い葡萄酒はとっても甘くとっても口当たりが良いのです。一気に飲み干してそしてお代わり
を注文していました。
これが間違いでした。葡萄酒と言っても矢張りお酒なのですね・・・
食事が終わって席を立とうとした時に、初めてのアルコールを飲んだ私は酔っぱらってしまった
のです。立つには立ったのですが、真っすぐに歩けないのです。
ワイングラスに2杯しか飲んでいないのに、頭がボヤンとして足が縺れるのです。
「大丈夫? ワインを薦めた俺が悪かった・・・」
彼は恐縮しまして、フラフラの私を抱きかかえてエレベータに乗せてくれています。そして8階
にある私のお部屋まで連れて行ってくれたのです。
カードキーだったのですが、キーをポケットから出した記憶がありませんから、彼が酔った私に
代わって扉を開けてくれたものと思われます。
これからは、彼の言です。だって私は如何やってお部屋まで辿りついたのか、酔っていまして
分からない状態だったのです。
お部屋に入ると2つあるベッドの片方にゴロンと横になったそうです。
彼のお部屋も私のお部屋も一人なのにツインのお部屋でした。
「ワインであんなに酔うなんて・・・思っても見なかったよ。だけど・・・俺がワインを飲むよ
うに勧めたのだから、責任を感じたな・・・」
彼は後で言っていました。
横になって寝ている私を仰向けにして、タオルを水で冷やして額に乗せてくれたのです。それか
らシャツのボタンを外してくれたのです。
全く自覚が無い私は密かにですが唸っていたようです。そして、これも彼が話してくれた内容で
すが、ズボンのベルトも緩めてくれたのです。
「苦しいかい・・・?。よし、ベルトも緩めてやろう・・・」
余りに苦しそうな私を見て緩めたのだと思うのです。
その時に、私の来ていたシャツが捲れて、白いお腹が見えたそうなのです。
酔った私には頭がボンヤリしていて、彼の言葉なんて耳に入ってはいませんでした。
ズボンのチャックを下げて、ベルトを緩めた彼はドキッとしたそうです。私の肌が余りにも白い
もで、驚いてしまったようです。
『女よりも白い。まるで女の肌だ・・・』と思ったのです。 『女のような白い駆をもっと見て
みたいものだ・・・』と考えたのです。
私の肌は男にしては異常なほど白いのです。
幼い頃よえい女の子と良く間違われていました。中学生になると女の子に間違われるのが嫌で
仕方が無かったのです。それで、運動部に入部して1年中真っ黒に日焼けそしていた過去さえ
あるのです。
高校生の時には、それほど早くはなかったのですが、中距離を走っていました。ランニング
と短パンが陸上部の制服でしたから、顔や肩や脚の部分は真っ黒だったのです。それでも、
ランニングと短パンの下のお腹の部分や腰は真っ白なままでした。
社会人になってからはワザと営業職に就き、外回りをしまして、服から出ている部分は日に
焼けていたのです。
それが中年になって会社の地位も上がり、管理職にもなると外にも行かなくなりまして、白さが
目立つようになっていました。それでも、洋服の外に出ている部分と服の内に隠れているところ
では違っていたと思えるのです。(続く)
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