小説 舞の楽園 ( トルコ10日間 )
- 2019/03/16
- 00:19
トルコ 10日間 < 29 >
お天気も最高で快適な船旅も1時間半ほどで、アジア側にある港に着きました。勿論
ここもトルコのお国の一部です。
しかし、2大陸を跨っている国で海峡によって分断されている国はトルコだけなのです。
又バスに乗り込んでトロイへ向かいました。約350K6時間は掛かるそうです。
350Kも走ると、日本では東京から名古屋くらいまで行けそうですが、トルコでは近場
だそうです。
高士さんは流石にお疲れのようで、隣の席に座っている私に寄り掛かって眠っております。
愛しい彼の寝顔を、私は何時までも見詰めておりました。
途中の海が見渡せるレストランに寄って地中海料理を頂きました。ふんだんなお魚と野菜
を煮込んだ料理でした。
それから、トロイの遺跡観光です。
トロイの木馬も観光しました。トロイの木馬は何度も何度も作り直されたものだそうです
が大きさや色などは変えてはいないそうです。
歴史にあるように本当に兵士が隠れていて城を攻めたのかと思うと、『昔の軍師と呼ばれる
人はとてつもない考え方ををするものだわ・・・』と感心しておりました。
トロイを発ってアイマルクまでの道のりを150K。時間は3時間です。
しかしトルコって広いですね。バスに乗っての旅なのですが、行けども行けども茶褐色の
砂漠地帯を走るのです。砂漠と言っても私達が考えるような砂地ではなく、コケのような
植物の生えた光景ばかりなのです。
バスの窓から見える景色は、日本の何処にでもある緑の森があって、田んぼがあるような
光景ではありません。
私は夕べの疲れもありまして、今度は彼に寄り添って眠ってしまいました。
アイワルクのホテルも高級なホテルでした。
今回のツアーはカッパドギアーの洞窟ホテルを除いて、どれもこれも立派なホテルでした。
洞窟ホテルは岩をくり抜いた昔ながらのホテルですから、仕方が無いと思います。
「俺の処に来いよ。2つも部屋を使うことは無い!」
フロアーでお部屋のキーを受け取った彼は添乗員さんの居る所で私に言うのです。
確かに昨日のイスタンブールのホテルでは私のお部屋には1度も入りませんでした。
旅行代金は日本を出発する前に全額をお支払いしてありますので、お部屋を使わなくって
も、代金が返ってくるとは思えませんが、2部屋も使う必要はないのです。
それに・・・今の私は、高士さんと一緒にいられるだけで嬉しいのです。
結局、お部屋の鍵は1つしか貰わなかったのです。
「ちょっと、出掛けてくるよ・・・」
お部屋で荷物を解いて夕食の後、高士さんはそう言い終えて、独りでホテルを出て行きま
した。タクシーを使ってアイマルクの街に出掛けたようです。
『仕事上の知り合いの人でも居るのかしら・・・』
ロビーに座って私が待っていると30分ぐらいで彼が帰って来ます。
「早かったのね・・・」
彼はニヤリと笑っています。
「万子。万子のオ〇ンコを綺麗にするものを買って来たんだ・・・」
お部屋に帰ってシャワーを浴びようとお洋服を脱いでいると、彼が笑って先程外出して
買ってきた箱を差し出しています。箱の中身はイチジク浣腸でした。(続く)
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