小説 舞の楽園 ( トルコ10日間 )
- 2019/03/18
- 00:14
トルコ 10日間 < 31 >
「あっ、出ちゃうぅ・・・もう、もう。我慢が出来ません」
便意が最高潮に達して、便座に腰を降ろすと同時に排泄が始まりました。お尻を圧し付
けていた壁際から3~4歩の距離が非常に長く感じられました。
もう、高士さんが見ていることを恥ずかしがっている暇などありません。 ジャーと云
う大きな音と共に排泄が始まりました。
恥ずかしいお話ですが、ブォッと云う大きな音さえさせていました。後から後から柔ら
かくなった便が排泄され、便の臭いが辺りに漂っていました。
気が付くと、恥ずかしさの余り私は泣いていたのです。『高士さんにこんな姿を見られて、
嫌いになったに違いないわ・・・』本気でそう思ったのです。
丸裸のまま便器に腰を降ろしてしゃくりあげて,息んでいる私をジッと見詰めていた彼
は私に近づくと頬にキッスをしてくれたのです。
「ゴメン。酷いことをしてしまったようだな。そんなに泣くなよ・・・」
困惑した様子で謝っています。
「こんな・・・姿をお見せして・・・嫌いにならないで・・・」
「嫌いになんか、なる訳が無いだろう・・・。こんなに万子を愛しく思っているのだから
・ ・・」
しゃくり上げながら言う私の言葉を覆い被せるように、私を安心させてくれる彼です。
< 4日目 >
4日目はアイマルクを発ってバスでエフェリスへの旅です。
7時にホテルを出発しまして約175km3時間のバス旅行です。バスは第1日目に乗
ったバスで運転手さん2人も同じです。
途中で2回のトイレ休憩がありました。バスの運転手さん達は2人体制で1人が運転し
ている時は、もう1人は後部にある乗客からは見えない休憩所で寝ていることが多いよ
うです。
前にも書いたと思いますがガソリンスタンド兼コンビニの休憩所に入ると必ず2人とも
バスを降りて、外にある椅子に座ってチャイを飲んで煙草を吸って他のバスの運転手
さん達とおしゃべりをしているのです。
何処の休憩所にも5~6人は座れるイスと簡単なテーブルが用意されています。
20分から25分のトイレ休憩です。
私はトイレを済ませてからコンビニの店内を見てうる高士さんを置いて、チャイを購入
して彼等のところに近づきました。
大概は他の観光バスの運転手さん達が椅子に座っていますが、今日は2人だけです。
「ここ、いいですか?」
「おお・・・イエス」
私が日本語で話しかけますと、彼等は雰囲気で分かるのでしょうか?それとも日本人
を沢山運んでいるので日本語の片言ぐらいは知っているのでしょうか?気軽に答えて
くれています。40歳前後の太る前の、眉毛の濃い男前です。
「吸いますか?日本の煙草です」
親切に椅子を押し出してくれた彼等に向かって、私の吸っているバージニアスリムを
差し出したのです。勿論私は英語も無論トルコ語も話せませんから日本語です。
しかし、言葉は通じなくとも身振り手振りで判るものなのですね。
「おう・・・メイドイン・ジャパン」
2人は喜んで、私の差し出したメンソールの煙草を受け取りました。
彼等と仲良くなれて私は大満足です。これで言葉が話せれば・・・と思うとちょっと残
念でした。(続く)
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