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小説 舞の楽園 ( トルコ10日間 )

   
         トルコ 10日間   < 32 >
  バージニアスリムを吸い終わった頃、高士さんが購入したペンダントとチャイを持っ
 て近づいて来ました。
そして英語で運転手さん達に話しかけています。運転手さん達も英語は片言ながら話せる
ようです。彼は早々と私と向き合って座り、ケントに火を点けています。
 何しろ休憩時間が25分しかありません。
 「何を買っていらしたの・・・?」
 「これだよ。しかし、外国ではどこでもそうだが、包んではくれないんだから・・・」
 女言葉で尋ねると、彼は土産物を包んでくれないことに不満そうです。
 日本にある彼のお店では包装をしないとお店には出さないらしくって、不満そうです。
 そう言えば、フランスでも、前に行った南米でも、お土産はそのままの裸のまま渡され
 ていました。
 外国ではお土産を包むと云うことをしないのでしょうか?合理的と言えば合理的ですが、
 日本の風習からすると何か味気ないような気がします。


  エフェリスの遺跡に寄りました。
 トルコと云う国は古代から西洋と東洋の交通の要所なのですね。いろいろな文明が栄え
 ては滅ぶことを繰り返して来たようです。各年代の遺跡も沢山あります。
 皆が皆、石で作られた遺跡なんです。どれもこれも、発掘の途中だと思われます。
 同じような石積みの遺跡なので、何処が何処だか判らなくなってしまいます。
 それからアルギミス神殿の遺跡を見学して昼食です。

  トルコは地震国だそうです。
 そう言えば、先年トルコの北の地方で大きい地震が起きて百何十人の方が亡くなったと
 云う報道がありました。
 エフェリスへ来る途中に、特にアジア側に入ると、4階建てぐらいの団地のような建物
 が目に着くのです。画一的な建物が並んでいますのでガイドさんに聞きました。
 トルコの古くからある家は石を積み上げて作った家なのだそうです。勿論鉄筋などは入
 っていない家だそうです。
 そこでトルコの現政権は、ああ云うマンションに住民を移住させる政策を取っている
 そうなのです。
 どれもこれも3DKから4DKぐらいの白い建物が並んでいます。1棟が40戸くらい
 です。どの団地も小高い丘の上に建っていまして、日本の団地と異なるところは周りに
 緑がありません。ただ住宅だけが並んでいると云った感じなのです。
 どの建物にもテレビの集合アンテナと屋上に水を汲み上げてからそこから給水する設備
 だけは付いておりました。その建物だけが砂漠の丘の上に幾つも建設されているのです。
 「トルコの国民は税金を払わないから、こうして税金対策の為もあるのです・・・」と
 ガイドさんは言っておりました。
 どこのお国でも同じだと思うのですが、税金と云うものは払いたくはないもので、こう
 してまでも税金を払わせないといけないものなのでしょうか・・・

  午後はバレッカムです。またバスに乗って215km、4時間は掛かりました。
 バレッカムと云うのは石灰石で自然に出来た綿の城という意味だそうです。
 何で綿の城と云うのかは、私はうたた寝をしていて聞き漏らしてしまいました。
 岩山の頂上にあります古い城跡へ入場してちょっと歩きますと、そこには本当に真っ白
 な石灰岩で出来た池がありました。それが何重にも連なって本当に美しい光景です。
 山頂からの水が大小様々な池を形造っているのです。(続く)
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