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小説 舞の楽園 ( トルコ10日間 )

   
         トルコ 10日間   < 34 >
   いよいよ私の憧れのカッパドキアです。
 カッパドキアと云うところはゴラン高原に中央部にあり、山間の静かな町です。
 山と言っても、日本の方々は緑のお山を想像するのでしょうが、緑の山と云う
 のは、日本と台湾ぐらいじゃないかと私は思っております。
 鋭角的な岩肌で聳える山なのです。緑なんてどこを見回してもありません。
 「日本とお国は緑が多くって本当に良いお国だわ・・・」と私は日本の
 良さを再確認して次第です。
 そんな岩山の間にあるのがカッパドキアなのです。
 大昔にキリスト教徒が迫害に会い、逃げ込んだのがカッパドキアと云う話です。
 飛騨の高山にあるような平家の落人部落のようなものを、私は想像していまし
 た。しかし、今は大きな街です。
  何千年にも渡って侵食された石灰岩の岩山が大小幾千となく連なっています。  
 小さな岩山は高さが20m程で、直径が20mか30mと言ったところでしょ
 う。
 大きな岩山は高さは150m、直径も50mを超えているものもありました。
 昔の人々はその岩山を刳り抜いて住宅にしていたようです。
 夕刻だったもので、突き立った岩山しか見えませんでしたが、夕日に映せれて
 異国情緒を満喫です。

  岩山をバスが登って、暗くなった頃に洞窟ホテルに到着しました。
 その岩山の中腹にある洞窟ホテルに今晩と明日の晩は連泊です。
 高士さんがホテルと交渉したのか、それとも単身者は2人でしたから同室にな
 っていたのかは解りませんが、彼とは相部屋になったのです。
 お部屋のキイーも1つしか渡されませんで、私は思わず彼の方を見ますと、彼
 はウインクをしておりました。
 鍵番号の201のお部屋に入りますと、洞窟を繰り抜いた室内は結構広いので
 す。
 中央にはベッドが2つ並んで置かれていて、置くにはお風呂とトイレが着いて
 います。上にはお部屋の1/3ほどのスペースの2階部分もありました。登って
 見ますとベッドが置かれていました。
 きっと夫婦と子供も泊まることが出来るのでしょう。 

  ところがこのお部屋は洞窟を刳り抜いた部分はお部屋の半分のようでした。
 浴室、トイレ、2階のお部屋です。前半分の居間と玄関はコンクリートと漆喰
 のようでした。
 それでも洞窟ホテルの様をなしていました。
 ホテルでの夕食の時に、ツアーの同行の方が話しているのを聞いたところに
 よると、「狭い部屋で、荷物を置く場所も無いんだ・・・」とのことですが、
 201号室の私達のお部屋は広々としていました。

  高士さんが同室になったお陰で、ツアーの皆さんも女性のガイドさんにも、
 私達の仲を公認されたようでとっても嬉しかったのです。
 夕食のバイキングの時にも彼に甘えておりました。しかし、ツアーの方々は何
 も言わずに暖かく私達を見守っているような感じだったのです。
 そう言えば、もう永年連れ添ったご夫婦ばかりでしたので、私達のことは興味
 の対象にもならなかったのでしょう。
 それは・・ご夫婦間の寝物語の囁きにはなったと思いますが、彼等の態度には
 変化はございませんでした。(続く)
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Author:舞
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