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小説 舞の楽園 ( トルコ10日間 )

   
         トルコ 10日間   < 37 > 
  「気球は如何でしたか・・・?」
ホテルへ帰って朝食の時に、気球に乗らなかったご夫婦から尋ねられました。
「イヤァ・・・乗れなかったのですよ・・」
高士さんが先程の打ち合わせの通り、ちょっと残念そうに言いました。
「そんなことは、ないのでしょう・・・?私達が見ていると幾つもの気球が登って行くのがみえましたから・・・」
彼の言葉に反発です。そう言えば前日の夕食の時に、ガイドさんが最終確認をしている時に「旦那が高所恐怖症なのよ・・・」と残念そうに言っていらした奥様です。
「あなた!今度トルコに来た時は、気球に乗るのよ!」
「トルコへまた来なければ、いけなくなってしまったな・・・」
奥様が言いますと、旦那様が頭を掻いております。それを見ていた全員が大爆笑でした。

  その日は1日カッパドギアの観光です。
普通のトルコツアーですとカッパドギアは1日だけの観光らしいのですが、今回の私達の
ツアーは「ゆったり優雅に満喫するトルコ回遊10日間」と云うツアーでゆったりと観光
できる旅行なのです。
岩山の上にありますギョレメ野外博物館やカイマルクの地下都市、ギルゼの谷等にも行き
ました。
歴史上、トルコは回教とキリスト教がない混じっている国です。遺跡等からも理解する
ことができます。
昼食後は、洞窟に住んでいる一般家庭にも案内されました。今は電気も来ておりますが、
昔は電気も無くって大変だったそうです。
カッパドギアは石灰岩の街なんです。あちらこちらに洞窟住宅があったそうです。それが
年月の経過とともに崩れて、今は住宅跡として残っているのです。現在は洞窟住宅にも住
む人は少なくなったようです。

  カッパドギアのあちらこちらを見学して廻って、今日は早めにホテルに戻りました。
ホテルへ戻って彼はタバコを吸いにホテルの玄関先へ出たときです。無論私も彼にお付き
合いをしていました。
あっ、ホテルのお部屋の中ではタバコを吸うことが出来ません。唯一玄関先に大きな灰皿
が置いてあるのです。
突然、カッパドギアの街中に響き渡る大音響のコーランが始まりました。
ホテルは岩山の中腹にありますが、谷の下の方にあります回教の教会から流されているの
です。そこからマイクを通して大音響のコーランが流れているのです。
周囲の山々に反響しまして、日本だったらばとても我慢が出来ないような大きな音なので
す。『流石は回教のお国だわ・・・。文句を言う人は居ないのかしら・・・』と思った次第
です。
夕食は、洞窟レストランに行き、ベリーダンスを楽しみながら摂りました。
コサックのダンスは勇壮な男性のダンスで、ベリーダンスは女性が優雅に踊るのです。
終わりの方で、ダンサーが各国の見物の方を呼ぶのです。ツアーの同行の方もダンサーに
指名されまして、舞台に出まして踊りを踊っていました。
その夜は、彼と同じベッドです。彼に愛されて眠りに着きました。(続く)
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