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小説 舞の楽園 ( トルコ10日間 )

   
         トルコ 10日間   < 41 >  
   確かに彼の言う通りケントもそうですが、全部のタバコの箱にはタールの含有量が
 表示されていないのです。
 「アラッ、そうねェ・・・」
 私が1日に2本から3本吸っているバージニアの箱を見つけまして良く見ますと、それ
 にも含有量が記されていないのです。
 きっと日本で売っているタバコは日本人に合わせるために、日本で作られているのじゃ
 ないかしら・・・何mmと云う表示をしないと、日本では売れないのでしょうか・・・
 『日本人は気質といいますか・・・潔癖だと言いますか、そう云うものが現れている・
・ ・』と思いました。
外国の人はそう云うものは、気にしないのでしょうか・・・不思議です。
結局迷った末に、彼はケントを2カートンも買ってしまいました。ヘビースモーカーの
彼は登場する直前までタバコを手放さないのです。高士さんが辺りを見回してキョロキ
ョロとしていたら、喫煙スペースを探している時です。

 17:25 イスタンブールを飛び立ちました。
来る時と同じにコンフォートクラスの座席です。相変わらず高士さんの隣の席です。
今度は窓際の席でした。しかし、往時とは違って飛び立って直ぐに暗くなりまして、窓
の外の景色は見ることが出来ません。
軽い機内食が出ましてそれを食べて、私は高士さんに寄りかかって眠ってしまいました。
毎晩彼に抱かれて幸せでしたが、やはり疲れているのでしょう・・・
周囲の人達も眠っているようでした。
朝方、また機内食が出ました。
今度は日本料理です。私は白いお米が嬉しくって全部頂きました。、この旅行の
間は白いお米は出なかったのです。
その頃には機内は明るくなっていまして、機窓から下の景色が見えてまいりました。
所々に雲は掛かっていますが、雲の切れ目から朝鮮半島らしきものが見えております。
やがて、九州らしきところが見えてきました。
「やっと日本に帰って来たね・・・」
見下ろす彼の言葉も感慨深げです。
日本時間で10時40分定刻に成田空港に帰って来ました。

  < トルコツアーが終わって・・・> 
 これで私のトルコツアーは終わりました。
このツアーは私にとっては、人生を変える出来事の連続でした。
高士さんに犯されて、私は彼のオンナになってしまったのです。しかも、彼の所へ
嫁ぐことまで約束させられてしまったのです。
あくまでも優しい彼との約束を私は守らなければならないと思いました。

  千葉にある分譲住宅を如何にかしなければならないと、考えていました。
「住宅は内部を改造して、人に貸すのが良いんじゃないかな・・・?賃貸料も入る
ことだし・・・売ることはないよ・・・」
「万子の住宅は息子さんが帰って来た時の為に残して置く積もりなのだろう・・?」
彼に相談しますと、彼はそう言いました。でも、そうは言っても、息子達夫婦は何
時帰って来るのかは解らないのです。
でも、彼の言葉に従いました。
住宅の内部を改造して、2年の短期の賃貸にすることにしたのです。3ヶ月以前に
意思表示をしなければ、そのままの形で2年間の延長をします・・と云う契約内容
です。
住宅の修繕から契約まで、彼の知っている不動産業者の方にお願いしました。(続く)

 
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