小説 舞の楽園 ( 熟れた男達 )
- 2019/03/31
- 01:37
熟れた男達 < 2 >
旅館に着いた時には、もう幹事が決めた部屋割りが決まっていて、俺は4人部屋
だった。
まあ幹事も考えたのだろう・・。麻雀をする人達を1部屋に、所長と課長と係長2人
は1部屋に、飲んで騒ぐ人達を1部屋にしなければならないから大変である。
麻雀も出来ないし、係長でもない俺の部屋は、こう言う温泉場に来ると必ずストリッ
プを見に行くと云う2人組と、何故か2か月ばかり前に事務所に来た清掃や植木の手
入れなんかをしているパートの爺さんと一緒だった。
その夜、旅館の大広間で宴会をした後、まだ騒いでいる飲ン兵衛達を残して、あ
まり飲める方だは無い俺は早々と部屋に帰ったんだ。
勿論、相部屋になった30代後半の2人はストリップに行くことを持ち掛けて来たが、
「見るだけでは詰まらない・・」と断っていた。
当時の女好きの俺としては、女の裸なんて見るものでは無くて、姦るものだと思って
いたのだ・・
部屋に帰ると、普段は雑用を受け持っている爺さんが一人ぽっちでテレビを見て
いた。
「あっ・・いたのですか・・?俺は余り飲める方ではないので、引き上げて来ちゃい
ました・・」
「そうなんですか・・?まあ、わたしもああ云う席は苦手でして・・。お茶でも飲み
ますか・・?」
俺が座卓の前に座ると、爺さんは目の前に会った急須にお湯を入れて、湯飲み茶わん
に注いでくれました。
その手付きを見るともなしに見ていると、浴衣の袖を押さえたり、急須を持ち上げる
手が女ぽいのである。
そう言って見ると・・浴衣の襟も幾分だが後ろに引いているし、急須で茶碗に注いで
いる手の小指が立っている・・
「オヤッ・・」と俺は思った。
そう言えば、この爺さんは女にしてもいいくらいに色が白いのだ・・。この人の前の
営業所の雑用掛かりの人はゴツイ男であったことを思い出していた。
「テレビ。替えてもいいですか・・?」
彼が見ていたバラエティ番組が終わったので、NHKのニュース番組に変えて俺は
布団の上に寝転がっていると、テレビとは反対側の部屋の隅で彼が寝る支度を始めた
のだ。
浴衣を落として、下に着ていたコットンのシャツを脱ぐと、俺に背中を向けて女見た
いに膝を崩して横座りをしたまま、脱いだシャツを畳んでいた。
彼の女ぽい姿に興味を抱いた俺はテレビを見ている振りをしながら、眸は彼の仕草
を追っていた。
白いポッチャリした肉付きの綺麗な背中をして、深い尻の割れ目が白く小さ目の
ブリーフの中に消えていて、薄いブリーフの中では肉付きの良い双つの丘が垣間見え
るようである。
俺の分身が勃起して来たのを覚えて来た。
可笑しいと思うだろう・・?女好きの俺がその爺さんに欲情したなんて・・兎も角
も、綺麗な白い背中とそれに続く丸い尻と割れ目は、女を連想させたのだ・・。
俺がテレビを見ていると思ったのか、爺さんはシャツを畳み終わると、向こうを向
いたまま立ち上がったのだ。
そして、白いブリーフを腰から降ろして、素肌に浴衣を着たのだ。(つづく)
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