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小説 舞の楽園 ( 私の旦那様は弟の親友 )


          私の旦那様は弟の親友  ( 30 ) 
  そうなのです。世間一般の常識から見れば、私達のしていることは異常としか見えない
 ハズなのです。
「お父さん。お母さん・・お許し下さい・・!北原の家に泥を塗るようなことをしている
 わたくしをお許し下さい。でも・・わたくしはもう・・敬様なしでは生きて行けません」
「お父さん。お母さん。理枝さんは立派な女です。確かに年齢は僕より上ですが、そんな
ことは・・愛すると言うことに於いては関係がありません。僕に理枝さんを下さい・・!
 お願いいたします・・・」
 私が父と母に謝ると、敬様が行き成り席を立って、床に正座をして頭を下げました。
 「僕達は真剣に愛し合っているのです・・・」
 私も敬様の隣に身を移して、三つ指を突いて頭を下げました。
 父と母は呆然としております。

  「お父さん。お母さん。どうするの・・?お兄さ・・あっ、ゴメンナサイ。お姉さん
 でした・・ね。お姉さんと敬君がこれほど真剣に言っているんだよ・・・認めて上げたら
・ ・・」
今まで黙って私達の話を聞いていた貴広が、私達の真剣そのものの態度に感銘を受けた
ように声をあげました。
「そうよ・・!お父さん。お母さん。認めて上げて・・・理人も・・・あら、もう理枝
かしら・・。理枝も覚悟を決めてここへ来たのでしょう・・・。だから・・敬ちゃんと
のことも認めて上げて・・・」
「だけど・・理人が不幸になることは・・絶対にダメ・・よ。いい・・?年を取っても
幸せでいるのよ・・」
姉は自分が女装をさせてしまったことの責任は感じているようです。そして・・もう
こうなったらば、私を不幸にはしたくは無かったようです。敬様に向ってそう言って
確認していました。

 「幸せに・・します・・!絶対に・・約束します!」
敬様は跪いたままの姿勢ながら、男らしく言い切っていました。
「お姉ちゃん。貴広。ありがとう・・ね。わたし・・幸せになるわ・・・。お父さん
。お母さん。約束します・・だから・・・認めて・・・」
家族の思いやりの心に私は早涙声です。
「うんっ・・・」
父は頷いてくれました。
「敬ちゃん。ふつつかな娘ですが・・宜しくお願いいたします・・」
母も敬様との仲を許してくれたのです。
私は男らしく、何よりも誠実な敬様と一緒になれることの幸せに酔っています。


      < 弟の好奇心 >
 その後。少しの間ですが、歓談をしました。
敬様も弟の親友と云った立場で笑い声を立てていました。
私がトイレへ立ったらば、弟と鉢合わせをしたのです。どうやら、彼は私を追いかけて
来たみたいです。
「兄貴。いやもう・・・姉貴だった・・かな・・?」
弟の貴広は至極恥ずかしそうに言うのです。
「そうよ・・敬様も女として認めて下さるんだもの・・姉貴って呼んで・・ちょうだい
・ ・な」
私はちょっと恥かしかったのですが、家族の皆がオンナとして認められたことに誇りを
感じていました。(つづく)
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