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小説 舞の楽園 ( 私の旦那様は弟の親友 )


          私の旦那様は弟の親友  ( 54 ) 
   敬様にご飯を盛って手渡しました。
 次に弟の貴広に手渡したところ、貴広の手と私の手とが触れてしまいました。貴広の手が不自然にビクンとするのです。
 女の私を意識しているのでしょうか、貴広の顔を覗き込むと彼の顔は真っ赤です。お酒の酔いだけでは無いようです。
 「何よ・・そんなに赤い顔をして・・・もう、酔った・・の・・?」と言ってやりますと、「酔ってなんか・・いないよ・・」と強がっていました。「姉貴が・・あんまり綺麗だからかな・・」と付け加えておりました。
「あらっ・・・嬉しいことを・・・言ってくれるじゃないの・・・」
軽くいなした私ですが、悪い気はしてはいません・・・

 夕食が済んでお部屋に戻りますと、もうお布団が並べて敷いてありました。
3つ並べて敷かれたお布団に恥ずかしさを覚えると同時に『貴広さえいなければ、敬様と1つになれるのに・・』と思ってしまっております。
それでも・・・気を取り直してハシャいでおります。
「もう1度風呂へ行って・・・来るよ・・」
前室の窓から夜のお庭の景色を見ていらした敬様が突然言い出しました。そして・・タオルを肩に掛けて浴場は行きました。
「貴広も・・・入ってくれば・・・?」
「僕は・・・いいよ・・」
貴広は言っています。
「じゃぁ・・・少し横になれば・・・?」
弟は『疲れてしまったのかしら・・』と思いながら私は寝ることを勧めていました。

      < 敬様の意向 >
  「姉貴。遣らして・・くれよ・・!」
 突然に、貴広が私の後ろから背中に抱き付いて来たのです。
 「何言うの・・馬鹿。馬鹿・・」
 敬様と同じ位の身体の大きな弟に抱き付かれてしまった彼よりも2廻りは小さな私は
 パニックに陥っております。
 後ろから私を抱き抱えた貴広は敷布団の上に押し倒して、直ぐにこのところ薬が効いて
来たのかBカップぐらいには成長した乳房に手を掛けています。
 彼がそんなことをするなんて、夢にも思わなかった私は暴れて、彼の背中を叩いていました。

  「イヤ。イヤッ。敬様が帰って来る・・わよ・・・」
 暴漢に乳房を揉まれたからと言っても、いい気持ちになんかなるはずがありません。少しでも、彼に落ち着いて貰うことを願って、そう言いました。
 「敬は帰ってこないよ・・!少なくとも・・あと1時間ぐらいはね・・」
 貴広は敬様が、後1時間ぐらいは帰ってこないことを知っているのです。
 私はハッと気が付きました。この旅行は弟の貴広の為に、敬様が企画をされたのだと・・・。
 お風呂も異常に長風呂でしたし、お風呂から帰って来た貴広の様子が可笑しかったことに・・
敬様が1人で出掛けた・・・ことに・・(つづく)
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