小説 舞の楽園 ( カミングアウト )
- 2019/10/30
- 14:35
カミングアウト (そうすれば家族) < 26 >
1時間ほど前までは、息子だった男の子は和樹様として私の上に君臨しているのです。
先程からの1連の言動はオンナになった私の心を揺さぶるのです。
完全に男としての、いえ、私の夫としての言葉と態度でした。
「エッ・・」
私は驚愕してしまいました。
彼のオンナになった証とは言え『体毛まで剃られてしまっては人前で裸にもなれないわ・・』
と考えました。
それでも・・『和樹様はわたしを独占したい』らしいのです。そう考えると悪い気はいたしま
せん。私は和樹様のオンナになったのですもの・・
彼のおっしゃることは絶対なのです。
「剃って・・頂けますの・・?」
剃毛と云う儀式があんなに恥ずかしいものだと云うことも考えずに承諾してしまったのです。
「そこに・・腰かけて・・足を開くんだ・・!」
私の白い躯を剃り上げてツルツルにしたい・・と云う長い間の願望を実現できるのだ・・
と言うことでしょうか・・夫になった和樹様は上機嫌です。
でも・・やっぱりSの気分なのです。
「脚を広げろ・・よ!」
言われて初めて、これから自分の取らなければならない恥ずかしい姿勢に考えが及びました。
同性の男性の前でも恥ずかしくて耐えられないのに、私は女なのです。
『夫である和樹様の前であられもない姿勢を取るなんて・・』考えただけでも身が竦みます。
「自分で・・わたしが自分で剃って参りますわ・・」
「今日は、俺が剃ってやる!明日からは・・頼子。お前が自分で剃るんだ!いつでもツル
ツルにして置くんだ・・!」
恥ずかしい姿勢を取らなければならない現状を少しでも先に延ばしたい私は哀願しました
が、夫に1蹴されてしまいました。
それどころか、毎日の剃毛の義務まで負わされてしまいました。
でも・・不思議なものですね。
以前は体毛があることは当たり前でと思っていましたが、今では無くてツルツルが当然だ
と考えるのです。
体毛が生えてくると恥ずかしいのです。それに・・チクチクして嫌なのです。
夫の指さす浴槽の縁に座った私ですが、恥ずかしくって・・と言うよりも女になった
と言う意識が邪魔をしてか、脚を開くことが出来ないのです。
「脚を開け!」
深紅になってクナクナと脚を閉じている私に命令するのですが、とれも脚を開く勇気が出
ません。
「それじゃ・・剃れないだろう・・?開くんだ!」
「アッ・・」
声と共にピシャリと平手が腿を打ちます。恥かしくって肢までピンクに染まっている太股
に赤い手形が浮かびました。
「はい・・アアァ・・恥ずかしいゎ・・」
「もっと・・だ!ガバッと開くんだ・・!
親にも手を上げられたことがない私は驚いて脚を広げましたが、まだまだ彼の満足する角
度には不十分のようです。(つづく)
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