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小説 舞の楽園  ( あたしの初夢 )

        あたしの初夢―5
 あたしはあたしのアパートとは2ブロックしか離れていない、そのアパートに
行って見たんだ。そのアパートはもの凄く古い建物だった。
大好きになった裕さんが住んでいるアパートだと思うと、何か切ないような気分
になってしまったあたしは、そのボロアパートの彼の部屋の前に立ったんだ。
驚いたことに、何の気も無しに扉に手を掛けてノブを廻したら鍵が掛っていなく
って、扉が開いてしまったのだ。
憧れの裕さんが部屋にいるかも知れないと思ったあたしは、ドキドキしながら
「ゴメンクダサイ」って奥に声を掛けたんだ。ところが、誰も出ては来ないし、
返事も無いんだ。
思わず扉を開いて中を覗き込んじゃった。
6畳1間と台所の付いたその部屋は、仕切りの襖が開きぱなしになっていて奥
まで一目で見渡せる。
独身で独り暮らしをしている割にはキレイに片付いていて、思わずあたしのお
部屋の散らかりようが恥ずかしく思ったくらい。
大好きな彼は居なかったけれども、それでも彼の生活ぶりを階間見たような気
がして、後ろめたいような気持ちと何か非常に嬉しかったことを覚えている。
その後、散歩のついでに(本当は裕さんの部屋を訪れることが目的だったのだ
けれども・・)彼の部屋を訪れたのだが、まっ昼間だったのでもちろん彼は留
守だった。
そして・・その度に錠を廻すと、扉は開くではないか・・・
あんまりボロアパートなので、鍵が壊れているらしい。無用心だなと思った
が、ラッキィと思った。
3度目に錠を廻した時なんかは(これは裕さんには内緒だよ)部屋の中に入っ
て、洗濯機の中にある彼のトランクスを取り出して、彼のオチ〇チンの残り臭
を嗅いでしまったんだ。
それほど、彼のことが好きになってしまったって言うことかしら・・・
あたしは散歩など今までしたことは無かったのだけれど、裕さんに会ってから
良く散歩するようになったんだ。それも、彼のアパートの方へ足が向いてしま
うんだ・・・(続く)
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