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小説 舞の楽園  ( 盗み聞き -16 )

      盗み聞き  -10
 その写真の1枚を見た遥の顔色が蒼白になった。
写真には丸裸の遥が写っていた。ガラス戸に顔を寄せて、お尻には巨大な張り
型が刺さっているのが、鮮明に写っている。
遥は顔を引きつらせて次の写真を追った。手がブルブル震えるのが見て取れる。
次の写真には白っぽい身体をした遥が自分の家の庭で四つん這いになっており、
右手でお尻の張り型を掴んでいる写真だった。庭の潅木が綺麗に写っていた。
顔を横に向けて切なそうな表情をしていた。右手に持った張り型は長い全長を
誇っている。
次の写真も、その次の写真も、その又次も、どれもこれも遥の淫ら過ぎる姿態
が写っていた。

 「い、何時。こんなものを・・・」
唇をワナワナと震わせて、遥は呟いている。確かに遥は夕べここに写っている
ようなことはした。しかし、誰にも知られずに行動した積りである。写真に撮
られたことはちっとも気づかなかったのである。
「如何する?この写真を買ってくれないか?もち論、ネガ込みで・・・」
遥の呟きには答えずに、大谷はニヤリと不敵に笑って言った。勝ち誇った笑い
だった。
「い、幾らで・・・・ですか?」
遥は夕べの思い出しても恥ずかしい恥態を見られてしまった恥ずかしさと、写
真を撮られてしまった自分に対する怒りで震えながら聞いている。
無断で他人の恥部を撮ることの怒りはあったが、本当のことを写真に撮られて
しまっては怒ることは出来なかった。
「そうだなあ、ネガ付きで500万と言いたいとこだが・・・隣人の好みで
300万で如何かな。これでも盗撮を商売にして食っているのでな・・・」
恐喝は慣れていると言った口調だった。大谷は余裕を持っているような態度で
ある。
「そんな・・・」
学校を出て教師になって日も浅い遥にはそんな大金があるはずも無かった。遥
は絶句した。
「この写真を渡辺さん。あんたの勤務先の学校に送ってもいいんだよ・・」
「イヤです。そんなこと、絶対に困ります!」
即座に強い調子で言っていた。
勤務先の学校とまで言われて、頭に血が登ってしまったようだ。
勤務先まで知られていては余り強いことは言えない立場だと認めているが、思
わず出てしまったものである。
「ほう。じゃあ・・お金で解決しますか?あれも出来ない、これも嫌だ・・と
言うんじゃ・・・俺としても立場がないからな・・・」
遥は目を伏せて、悔しさと無念さを滲ませて下唇を噛んでいる。涙が溢れる寸
前であった。
「お金も要らない。学校にも写真を送らないと云う方法があるんだが・・・
あんたが『ウン』と言うかどうか・・・」
大谷の呟きのような言い方に遥はハッと顔を上げた。涙は既に一杯に溜まって
目から溢れていた。
「それは・・・何ですか?如何すれば・・・」
縋るような目を大谷に向けている。(続く)

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