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小説 舞の楽園  ( 盗み聞き -13 )

        盗み聞き  -13
 (8)遥の決心
 その夜のことは遥は良く覚えていない。きっと考えが混乱していたのであろ
う。
見せられた写真には全裸の淫らな行為をしている遥の姿がはっきりと写ってお
り、その写真を『300万で買え』と言っている。さもないと『学校に送る』
と脅している。
写真には明らかに自分の家の庭で、全裸になって太い張り型をアヌスに咥えて
いる写真ばかりであった。
警察に訴えたくとも、そんな事実があったことを世に知られたくはなかった。
しかも、学校に写真を送られることも全力で阻止しなければならなかったので
ある。
しかし、遥には300万のお金を支払う余裕も無かった。
田舎の両親に相談しても、無理なことは初めから分かっていた。実家は父親が
病気がちで遥が少ない給料から仕送りをしていたのである。それに両親をこの
ようなことで悲しませたくは無かった。
仕送りをしている関係で、勤務先の学校は辞める訳にはいかなかったのである。
それらのことを考えると、布団に入っても眠ることが出来なかった。
悶々と考える中で、遥は大谷の言うところの『もう1つの方法』を選ぶことが
最良の方法だと考えてしまったのである。
『彼の女になる』と云うことは、如何言うことであろうかと考えたにしても
不思議ではない。
もともと女になると言うのは、隣の横尾夫妻のSEXを覗き聞きするように
なってからは、遥の理想であった。
学生時代はあれ程嫌であった女顔も母親に似て色が白いことも、今では自分は
女に生まれてくれば良かったと思っている。
そう云う意味では『女になれ』と云う大谷の申し出は、天の啓示のように魅力
的であった。
考えて見れば、あのギョロッとした目と顔の造作を除けば、大谷は充分魅力的
な筋肉質な身体の男だと思った。
特に別れ際に言った『俺の大きなもの』とは遥の好奇心を誘っている。大きな
もの、張り型ではなく生の巨大なものとは、どんな感じがするのだろうと何時
の間にか考えていた。
『女になる』ことは、1回限りと云うことは考えられなかった。
明日1回だったら、明日1回だったらあの嫌いな顔も目を瞑っていれば良さ
そうだと思うが・・・もし、一緒に暮らすようなことになれば・・・しかし、
300万円が1回の自分の値段としては高すぎる・・・と悩んでいる。
勤務している学校のことを考えると、女になってお化粧をして・・・女にな
ることは躊躇があった。もし、彼に化粧しろと言われたらの話であるが・・
考えてみても堂々巡りになってしまって時間ばかりが過ぎて行く、それに考
え方が『女になる』方へ進んで行くのに遥は気づいていない。
何時ごろであったか夜も白々と開けて来た時刻になって、考えも纏まらずに
考え疲れて遥は寝入ってしまった。(続く)
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