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小説 舞の楽園  ( 盗み聞き -14 )

        盗み聞き  -14
 
 翌朝、嫌な夢を見て何か叫んだような気がして遥は飛び起きた。
時刻は9時のちょっと前だった。夢の記憶はないけれど、嫌な汗を掻いてい
た。
10時には隣の住宅へ行かなければならない。もし行かなければ、大谷は学校
へ写真を送ると言っている。
学校の方へあの遥が全裸で写っている写真が送られたらば、もう学校には行け
ないと思った。身の破滅だと思った。
遥は寝汗を掻いたままの身体では大谷の家へは行きたくはなかった。せめて
清い綺麗な身体で抱かれたいと考えている。
その時点でもう、大谷の住宅に行けば抱かれるものだと云うことは覚悟が出来
ているようだった。
急いで浴室に駆け込んでシャワーを浴びて、シャワ浣をアヌスに施して腸の中
まで綺麗にしている。
大谷の家へ行けば、必ず大谷に迫られて抱かれるであろうことは想像がついた。
遥には女陰はない。アヌスを使うしか方法が無かった。
アヌスを使われたら、大谷のものに汚物が付く事は絶対に避けなければならな
いと考えている。もし、そんなことが起きたら死んでしまうと本気で考えてい
る。
朝起きた時から、大谷の家を訪問することは決めていた。もうこの身を犠牲に
するより方法がなかったのである。
遥は何を着ていこうかなと考えている。
余り男らしい服装をして隣へ行くのも、女になろうとしているのにおかしいの
ではないか?・・・と思ったのだ。
・ ・・かと言って女の洋服を着て行くのも、『犯されに来ました…』と言って
いるのと同じではないかと思ってしまう。
洋服ダンスを開けて考えこんでしまっている。実際には女性の洋服などある
はずがなかった。
タンスの中から取り出したのは、出来るだけユニセックスな服を選んだにして
も無理はない。下着はパンティを買ってあった。
出来上がったのは、白いTバックのパンティに白のスラックス、薄紫色の半袖
シャツの姿であった。
白いTバックのパンティは遥が隣の夫婦のSEXを覗き聞きするようになって
から、通信販売でバイブと共に購入した物である。
遥はこの白いTバックで自分が女になる決意を大谷に知って欲しかったので
ある。
洋服ダンスに付いている備え付けの鏡に全身を映しているちょっと悲しげな
遥が写っていた。
時計の針は10時5分前を指している。

 (9)大谷の推理
 『10時に来い』と言われている遥は躊躇しながらも、10時3分前には
大谷の家の玄関のベルを押していた。遅れることなど考えられなかったので
ある。(続く)



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