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小説 舞の楽園  ( 盗み聞き -16 )

        盗み聞き  -16
 「・・・・・」
遥は黙ったまま頷いた。
「あなたがそう言ったのでしょう?僕はお隣の横尾さんには悪いことをした
と思いますが、あなたには何も悪いことをしたとは思っていません。僕を苛
めて何が面白いのですか・・・?」
と、言いたかったが、折角いい関係になりそうになっているこの雰囲気を壊
すことを恐れたのだ。
・ ・・・・と言うよりも、惜しむ気持ちが働いたのかもしれない。
結局、何も言えなかった。
このまま紳士的な態度の大谷に、抱かれざるを得ないならば抱かれたかった
のである。
「昨日も言ったと思うけれど、僕は女性に対しては臆病で気の小さい男なん
だ。だから、女性は大切にするんだ!僕の女になって欲しい・・・」
「僕はお前さんに惚れた!毎日が苦しくて仕方がない。本当はお前さんを脅
したりしたくは無かったのだが、こうでもしないとお前さんは俺のものにな
ることを承諾してはくれないだろう?」
大谷の問いかけに遥は思わず頷いてしまってから、しまったと思った。
「お前さんは正直なんだな・・・正直と云うのは真っ直ぐの正しい心なんだ。
お前さんの心は真っ直ぐなんだな・・・ただし、1点を除いてだけど・・」
今度は大谷は可笑しなことを言い始めた。
「えっ?ただし1点とは?」
遥は誉められていると思った。こんなに誉められたことも、1点を除いて・・
と言われたことも生まれて初めてだった。不思議そうな顔をして思わず聞き
返していた。
「お前さんは女になりたいのでは・・・ないか?」
突然、大谷は話題を変えている。
「えっ?・・・そんなこと・・・分かるのですか?」
ますます動揺してしまった遥は、本音を吐いてしまった。そして、正直だと
言われる所以だと思った。
「その白い身体を生かして、女になったら?・・・いや、女に成るべきだと
思うよ。お前さんはアナル、いや、こんなことを女のお前さんに言うのは失
礼か・・・?オマ〇コは使えるのだね?」
大谷は女に成った方がいいと言った後に、オマ〇コは使えるかと単刀直入に
聞いていた。
「ええ。オマ〇コなんて・・・恥ずかしいですわ・・」
これも動揺している遥は頷いてしまってから、女のように慌てて恥ずかしが
っていた。
しかし、遥は、アヌスとは言わずに女を指すものであり、男にはないオマ〇コ
と大谷が言ってくれたことを嬉しく思っている。
大谷が言う唯1点とは、女に成りたい心を自分自身で押さえつけていること
だろうと言う事は、もう既に遥には分かっていた。

 (10)遥の条件
 「2つ程、お聞きしてもよろしいかしら・・?」(続く)


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