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小説 舞の楽園  ( 座敷牢 -2 )


         座 敷 牢    { 2 }
    最後の会長さんとのSEXの日の翌日、午後の3時ころに部屋に電話があった。
 その電話にも出ることは無論出来なかった。
 ただ、『助かるかもしれない・・』と漠然とだが思ったことは確かである。
 それから2時間後、会長秘書の林が会長からもしもの時用に・・と預かっていた鍵を
 開けて部屋に入って来て、死んでいる剛三を発見したのだ。
秘書の林がこの部屋に入って来たのは初めてである。
 もし、秘書の林が会長を探していてくれなければ、静も死んでいたであろう・・

  林は死んで冷たくなっている会長を見つけると、直ぐに後妻である光子のところに
 電話を入れている。
 奥様の光子は掛かり付けの医師と共に駆け付けて、会長の死因はマスコミには漏れな
 いように手を打ったのだ。
 しかし、光子とその医師と林には、死んだ会長とアヌスで交わっていた交接の模様は
 一部始終を見られてしまっている。
それどころか・・30時間以上も後ろ手に縛られて、海老縛りにされた無理な姿勢を
強いられたまま動きを封じられていた静は、直ぐには死んだ会長を退かして貰っては
いなかった。
そして・・死体をの退かされた後に縛っていた縄を解いて貰っても、2時間以上は身
動きが取れなかったのである。

 会長さんの身体を退かされて再びひっくり返された静は、死んだ会長さんを咥え
ていたアヌスを天井に向けていなければならなかったのだ。
勿論、静を快く思っていない光子は全裸剥き出しの静の躯の上には何かを掛けてやる
気も見せてはいない。

  ( 2 )
 その光子からの初めての電話であった。
冷酷な光子の言い方には棘があり、静は薄気味悪いものを感じたが断る訳にも行かな
かったのである。本妻に隠れて剛三は浮気をしていたのである。
剛三の死体を抱いていた(否、抱かれていた・・と言うべきであろう)ショックから
やっと立ち直って来た肉体を、濃紺の半袖のワンピースに包んで、光子の居る前会長
の自宅に足を運んでいる。

 「ゴメンクダサイ」
駅から歩いて15分ほどのところにある会長宅は広いお屋敷であった。
敷石が続く玄関があるが、主の居ない今ではヒッソリとして寂しげである。
呼び鈴を押して来意を告げると、会長秘書であった大男の林が玄関まで迎えに出て来
た。(つづく













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