fc2ブログ

記事一覧

小説 舞の楽園 ( 義父の白いオブジェ )

       義父の白いオブジェ(22)
 「お早う。昨日は疲れたろう?」
見ていた新聞を畳んで小声だったがそう答えた義父の声は濡れているような気
がしていて、義父の顔は恥ずかしげに赤くなっていた。その時義母は席を立っ
て、俺の為に味噌汁をよそっているところであった。
「ええ。昨日はちょっとハードだったもので・・・」
『信子。お前のお陰でハードだったんだぞ!』と云う意味も込めて、俺はニヤ
リと笑いウィンクをしている。
「昨日はお疲れ様でしたね。美加もあなたが来てくれて喜んでいたわよ」
何にも知らない義母が味噌汁を置きながら真面目な顔をして言っている。
俺の快楽のために、何にも知らない義母と美加を悲しませてはならないと心に
誓ったのだった。俺は女性を楽しませるが、女性を悲しませることは心から嫌
いであった。
それでも信子を見ていると、「女になりたいわ・・・」と言い出すのではないか
と心配になってくる。そんな馬鹿なことは言い出すまいとは思うが・・・
でも、義父も今のところは家庭内に波風を立てたくは無いようである。これは
俺も同感であった。

 「モシモシ。信子か?俺だ!今いいか?」
会社の昼休みに信子の携帯に電話を入れた。
「ちょっと待って下さい」
幾分義父の緊張した声が聞こえて、暫くしてから「はい。信子でございます」
と信子の女声が聞こえて来た。きっと廻りに同僚がいたので、俺の電話の内容
が誰にも聞かれない場所に移動したのであろうと思われる。
「今日の帰りにデートをしよう!お酒でも飲むか?」
俺は1発姦った女に対するような口を聞いている。
「はい、判りましたわ。出来るだけ早く会社を出るようにいたしますわ・・」
信子はおっとりとした女言葉で答えている。俺はおっとりとした信子の女言葉
が好きなんだ。何となく上流階級の婦人を相手にしているみたいで俺の趣味に
合っているような感じがするのだ。
待ち合わせの時間と場所を決めて俺は電話を切った。ますます女らしくなって
行く信子である。俺は如何変って行くのか楽しみになっている。
 5時30分駅前の待ち合わせ場所に俺のほうが2~3分早く着いている。
「待った?」
信子は男の格好をしてはいるが、もう俺の可愛い女だ。息せき切って走って来
て、俺の顔を見るなり口だけで聞いていた。口だけと云うことは声には出さな
いと云うことである。
それは息が上っていたと言うこともあるかも知れないが、周囲の人の耳を気に
したからだと思っている。しかし、俺にはそれだけで充分だった。
俺はこの可愛い女を直ぐに抱きたくなっていた。まず会って駅前の酒所でも行
こうと思っていたが、予定を変更して抱くことにしたのだ。
この駅の裏側には連れ込みホテルが数軒あるのを美加との婚約時代に利用して
知っていた。ホテルの人間とも顔を合わせることなく入れることも知っている。
そのホテルへ行こうと思ったのだ。(続く)
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

舞

Author:舞
FC2ブログへようこそ!