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小説 舞の楽園 ( 義父の白いオブジェ )

       義父の白いオブジェ(37)
   <9>再度の入浴
 週の中ほどの木曜日ということもあろうか、それとも連休前の平日というこ
ともあろうか、宿には3組の男女しか泊まっていないようである。
食事のときに大広間へ集まって夕食を執っているところを見ると、1組は60
代後半のご夫婦ともう1組は40代の男性と30代も中頃の女性と云うカップル
であった。
60台の方は言葉も仕草も年相応に永年親しんだ風格だあり、いかにも老夫婦だ
けで旅行を楽しんでいるといった風情がある。
しかしもう一方のカップルはいかにも不倫旅行と言ったところであると、俺は
見ていた。男性の方はデップリと太った赤ら顔でおまけに禿げ頭の親父であり、
女性の方は痩せて小柄であるが従順そうな色が白い女である。
信子の方がフックラとしていていかにも抱き心地がいい女であると、俺は比較
していた。
俺達のことはこの2組のカップルにはどう映っているのか知りたいと云う気持ち
がフツフツと湧上がってくるのを押さえ切れなかった。

 その夜、9時を廻っていたと思う。
部屋での一戦を、いや三戦ぐらいだがを済ませた俺達は、今日2回目の温泉に
入りに階段を下りて行った。
山懐に抱かれた湯は日没も早くってシーンと静まり返っており、薄明かりの裸
電灯が点いているばかりであった。この裸電球はワビを演出するために、ワザ
と点けているのではないかと俺は思っている。
脱衣所も昼間と同じで脱衣籠が積み重ねられており、信子はホッとしたようだ
が俺はちょっぴりガッカリしている。
お湯の中に入った俺達は並んで座って、俺の左手は彼女のクリを弄っており、
信子の右手は俺の男根に手を添えていた。
湯の中で互いに先程のSEXの余韻に浸っていると、脱衣所の方から男の声と
女のそれに答えるか細い声が聞こえて来た。
「入っても構わないのじゃないか。どうせどこの誰だか判らないのだから・・」
ダミ声で男の声が聞こえて来て、女の声は聞き取れなかった。どうせ「恥ずか
しいわ・・・」とでも言っているのであろう。
信子の方はと首を巡らせて見ると、彼女は他人に身体を見られてしまうことを
覚悟したのか、白い顔は幾分蒼ざめているが静かに湯に浸かっていた。
脱衣所の木製の引き戸が開かれて、薄暗い電灯の明かりを背にして2人の男女
が入って来た。その声で推測したとおり夕食時に隣に座っていたデップリと
太った赤ら顔の親父と痩せた色が白い女のカップルの影であった。
「ノブコ。早くしろ!」
男性は4~5歩歩き出すと、後ろを振り向いて若い女性が脱衣所の出口のとこ
ろで立ち止まっているので叱責している。
『ノブコ』信子と同じ名前だ!
俺と信子は思わず顔を見合わせた。信子は自分が怒られたかと思ったらしい。
如何云う字を書くのか解らないが、ノブコと云うらしい。
「はい・・」
臆病そうな小さい声で恥ずかしげに答えた小柄な女は小さなタオルで身体の
前面を隠しながらこっちに近づいて来ていた。(続く)
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