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小説 舞の楽園  ( 背徳の関係 )

   
         背徳の関係   < 6 >
  「ゴメンナサイ。譲二。ゆるして・・・」
 椅子に崩れるように座って真っ赤に染まった端正な顔を伏せて、綾夫はそう謝っている。
 頭の中は真っ白になっていた。
 「この前から可笑しいと思っていたんだ! 覗いたのは何回目だ・・・!」
 椅子に浅く腰を降ろして背中を丸めて、如何にも悪いことをしたことが見つかってしま
 った子供のようにオドオドとしている兄を見て、譲二は自分の考えが正しいことに決心
 を新たにしている。
 その考えとは・・・前々から『この兄はマゾの気があるのではないか・・?』と思って
 いたのだ。
 そして、『もしセックスに於いて、強い者に命令されたならば何でも従ってしまう性質を
 持ったマゾだ・・・』と考えていた。

  「2回め・・・です。昨晩で2回目です。ゴメンナサイ。許して・・・」
 思わず答えてしまってから、綾夫はシマッタと思ったが後の祭りのようである。『まるで、
 先生に尋問されている生徒のようだ』と感じたのだ。
 チラッと顔を上げて譲二の方を見ると、椅子にふんぞり返ってワザとのように怖い顔を
 して睨んでいたのだ。とても嘘を就ける雰囲気では無かった。

  完全に兄と弟の立場は逆転していた。
 「アナルオナニーは気持ちが良かったのか・・・?。正直に言うのだ・・・!」
 譲二には完全に優位に立っていることが確認出来た。『今日、今こそ、長年の夢を実現さ
 せる絶好の機会である・・・』と決断したのだ。
 「オ、オナニーだなんて・・・」
 綾夫は小さく背を丸め、ブルブル震えながら小さく口走っている。
 「やっていないとは言わせないぜ!涼とのアナルセックスを覗いて、アヌスを弄ってい
 るのを・・・俺は知っているんだ・・・。オッパイも気持ち良かったのか・・?」
 綾夫の脳裏に昨晩の譲二と涼のアナルセックスの様子が蘇り、綾夫自身が譲二のあの逞
 しい肉棒で犯されているような気分になってしまったことが思い出されて、思わず頷い
ていた。
その錯覚が今、本当になりそうな予感がして・・・綾夫のアヌスがキュンと締まり、尻
を振っている。

 「兄さん。俺のオンナになってくれ!俺。兄貴のことが好きなんだ・・」
突然譲二は立ち上がり椅子を蹴り倒して綾夫に抱き付いて来た。
「エッ・・・」
思わぬ弟の言葉に答える間際も無かった。驚いて立ち上がろうとする綾夫に譲二がタッ
クルを掛けていた。そして、ジュウタンの床の上にモンドリを打っていた。
[馬鹿なことは・・・ヤメて・・・]と言うところであるが、その言葉も出さない内に
、体格も力も圧倒的な弟に組み伏せられていた。まるで大人と子供である。
「ヤメて・・譲二・・・」
泣きそうな声で叫んだ時には、綾夫が着ていたパジャマのズボンはお尻から下ろされて、
既に譲二の手に移っていた。
昨夜、あれから直ぐに眠ってしまった綾夫の下半身は剥き出しにされてしまっていた。
(つづく)
    
         背徳の関係   < 7 >
「俺のオンナになるんだ!」
 パジャマのズボンを毟り取られて仰向けにされた綾夫に、譲二は確認するように乱暴な
言葉を吐いている。
しかしその時の譲二の眸は哀願しているようにヨワヨワシイものであったことは綾夫は
知らない。
真剣で恐ろしい顔をした譲二を見て、一瞬、弟は気が狂ったのではないかと思ったほど
である。
乱暴者の弟ではあったが、実の兄に対しては甘えたところのある弟であった。けれども
その一瞬だけは怖いと思ったのだ・・・
 今になって考えると、『弟の怖い態度と言葉は兄を犯すと云う背徳に対する恐れから来る
 虚勢にたまものであったろう・・・』と思えるのだが、その時は怖さばかりが先に立っ
 て何も考えられなかったのだ・・ 

  仰向けに倒れた綾夫の両脚を譲二はムンスと掴むと、覆うものも無い恥部を大きく割り
 開いた。
 「イヤッ。イヤイヤ・・譲二。イヤ~、ヤメて・・」
 取らされた姿態の余りのシドケナサに綾夫は全身を震わせて朱に染めた。
 譲二は素早くトランクスを脱ぎ捨てた。赤黒く太い砲身がもう既に点を突いている。
 それを見たとたんに綾夫の全身から力が抜けているが、綾夫の眸はその怒張に絡みつい
 たまま、離れようとしなかった。
 「や・優しくシテ・・・」
 昨晩、垣間見た怒張よりも、、いや、小さい頃より見慣れていた砲身よりも凶暴性を持っ
 たそれに犯されることを観念せざるを得なかったのだ。
 可笑しな話であるが、永い間恋い焦がれていたものにやっと会えたような気持だった。

  涼によってアナルセックスを習されている譲二は、応接セットの上に置いてあったプラ
 スチックの小瓶の蓋を開けて、綾夫の薄い鳶色の肛門に近づけている。
 「初めて・・・だろう?」
 滑る液体を垂らして、指を入れて来た。
 「アッ、ああぁ・・」
 確認するような譲二の問いに、ガクガクと頷ていた。
 直ぐに指が2本になり、ラブオイルを追加された。
 「アッ・・・痛い・・・」
 綾夫が指での凌辱に小さな悲鳴を上げた時には、もう指は3本になっている。

  左手で綾夫の上げた両脚を器用に抱え上げた譲二は、自分のギンギンに張っていきり
 立っている巨砲にもラブオイルを垂らした。
 モスグリーンのジュウタンの上に半身を剥き出しにされた綾夫の、もう力の抜けた両脚
を肩に担いだ。
『いよいよ・・・犯されるのだ・・・』
ボンヤリと思っている綾夫であった。生白い綾夫の下半身が窓を全開にしてある朝の光
に映えていた。(つづく)
   
 


    
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